高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

Wordに美しい関数のグラフを入れる方法(備忘録)

導出物理や中学数学必修ワークはMicrosoft OfficeのWordで作成している。

そして関数のグラフ作成は有料のアドインソフトを利用しているが、販売中止となりバグの修正も行われなくなってしまった。

そこで代替案を模索していた。

 

WinTpicという無料ソフト

https://www.vector.co.jp/soft/winnt/writing/se484262.html

これは図形やグラフを作成できるソフトで,関数や図形をTeXのコードに変換してくれる優れもの。

 

TeXは数式を作成するためのプログラミングコードという認識の人も多いだろうが、図形や関数も書くことができる。

Microsoft OfficeのWordでもTeXのコードが使えるが、図形やグラフは対応していない。Wordで書けるのは数式のみ。

 

YouTubeの広瀬教育ラボチャンネルさんがこのソフトの解説をしていて、このソフトの存在を知った。貴重なフリーソフトを紹介いただき感謝です。

WinTpic の使い方第1回:基本操作 - YouTube

 

そしてこのソフトはBMP形式の画像にも変更できるが、画像ファイルだと拡大・縮小したときに、画質が悪くなってしまう問題がある。

BMPは非圧縮の画像形式なので、レポートであれば十分使える。ただし出版となると耐えられない…

 

これを解決するのがSVG形式の画像ファイル。SVG形式とは、いわゆるベクター形式と呼ばれるもので、xmlという文字コードを画像にして表示するもので、拡大縮小しても画質の劣化が出ない特徴がある。

 

そこでTeXSVG形式に変換する方法はないかと探っていたら、あった。

https://products.aspose.app/pdf/ja/conversion/latex-to-svg

こちらのサイトで簡単にできるらしい。

 

まだ試していないが、これでいろいろ解決しそう。

理系の大学生はこの方法を活用できるかと。

うまく活用できたらコメント残してくれるとありがたいです。

 

さらにきれいな論文やレポートを書きたい人は当方開発のWord用数式フォント「SoyokazeMath」を活用いただければと思います。 

 

soyokaze-biz.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

導出物理 第5版→第6版 差分情報

2022年3月に導出物理 第6版 の発売を予定しています。

カバー付き製本に変更し、本体価格は30円アップとなります。

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導出物理(上)力学・波動編 第6版 各2430円+税

導出物理(上)電磁気・熱・原子編 第6版 各2430円+税

まえがきの「本書の使い方」を改訂

●上巻の変更点

・1章物体の運動

 p4の「有効数字」の説明を改訂

・5章 いろいろな力1

 p44の「作用・反作用の法則」の解説を大幅変更

・6章 いろいろな力2

 章末問題に気柱と気圧に関する問題を1問追加

・7章 仕事とエネルギー

 「非保存力がする仕事」の解説を新規追加,それに対応する問題も追加

・10章 平面内の運動 (p132) 

 慣性抵抗の解説を改善

・11章 剛体のつり合い

 「互いに平行でない3力の作用線」の解説と練習問題2問追加

 p140の「外積による力のモーメントの定義」の解説を若干変更

・12章 運動量の保存

 「2 物体が衝突する場合の跳ね返り係数」の覚えるべき公式を変更

・16章 波の性質

 p237の問題で、図の色合いを調整
・17章 波の伝わり方

 「正弦波とy-tグラフ」(p256-257)の図の部分の説明を改善

・19章 光波Ⅰ

 「絶対屈折率と相対屈折率」(p282,p283)の解説の改善,暗記すべき公式の変更

●下巻の変更点

・2章 電場と電位

 例題2、例題3の改訂、その他解説や問題文の一部を改善

・4章 直流回路Ⅰ

 「電流計の分流器」「電圧計の倍率器」の暗記項目の改訂

・8章 電流と磁場

 「磁性体と磁化」の解説を若干改善

 「磁場の遮蔽」の解説を大幅改訂 その次の問題122の問題文も若干改善

 「磁場の向きと電流の向きが垂直でない場合の電磁力」の解説と暗記事項の改訂、その下の例題4の解説も若干改訂

 「ローレンツ力」の解説を若干改訂、暗記事項の改訂

・11章 交流回路Ⅱ

 「三角関数の合成」の証明を改訂

 章末問題の211の問題の改訂

・13章 気体の分子運動論Ⅰ

 アボガドロ数に関する解説の改訂,暗記公式の追加

 問題247(1)の問題の変更

 「気体分子運動論」の解説を若干改善

・14章 気体の分子運動論Ⅱ

 「気体の混合」の解説を新規追加,対応する練習問題2問追加

 「気体のモル比熱」の解説を大幅に改訂、暗記事項に注意を加筆

 「熱機関と熱効率」の解説の改訂

・15章 エネルギーとその利用

 「燃料電池と水素社会の実現へ」→削除

 「エネルギー形態の移り変わり」の項目を追加

 「枯渇性エネルギーと再生可能エネルギー」「一次エネルギーと二次エネルギー」の解説の改訂

・16章 原子Ⅰ

 「ミリカンの油滴実験」の解説と図を若干改訂

 「電気素量の推定と定義」の解説を新規追加 そのすぐ下の問題文も改訂

・17章 原子Ⅱ

 「原子核の崩壊」の※部分の解説を追加(一部削除)

・巻末の数学の補足

 「内積外積」の解説を追加、改訂

 

残念な高校教師が実施する残念な定期テスト

教育とは国力の根幹を成している。

従って学生が勉強をする意欲をなくせば国力は当然下がる。

にもかかわらず、高校教師の中にはその意欲を無意識のうちに削いでいる方々が多いように感じる。

その一つが、定期テスト。私はよく高校教師が作った定期テスト問題を見ることがあるが、これ制限時間は何分?と尋ねると、大体60分前後。全然時間足りないよね?と尋ねると、はい足りません、と。

要するに、試験時間の設定がバカな場合が非常に多いのです。

1例を挙げるなら、ある物理の定期テスト、制限時間は60分だったのですが、私の感覚では120分くらいが妥当という感じでした。

試験時間が短いと何が問題なのか。中間層、下位層は一般に上位層と比べて読解や計算のスピードが遅いため、試験時間が短いとどうしようとするか。考えることをやめて暗記に頼ろうとします。

内容がよくわからない公式を覚え、このパターンの問題が来たらこう解く。要するに定期試験が社会に出てからあまり役に立たないクイズと化するわけです。試験科目数が多く、試験時間も短いとそうせざるを得なくなるのは当然。学生としては、意味がよくわからないことを覚えるわけだから、苦痛極まりないと想像できます。

 

そうすると、短い制限時間の試験を実施する教師は、思考力のない人材を量産していることになる。

 

そうは言ってもそれに納得しない、あるいは反論する教師の方もおられるでしょう。しかし残念ながら、読解や計算のスピードはある程度訓練で上げられても、個人差が激しく、努力ではどうにもならない、というのが脳科学の結論です。

 

そもそも国家が税金を投入し、教師を雇って教育を施している意味は何なのか、政治の役割は何なのかを考えていただきたい。弱者でも差別されることなく教育を受けられるために、公務員として教師を雇っているわけです。

受験でも経済活動でも、どんなに努力しようが必ず勝ち負けがつく。じゃあその負けた人は自己責任だと言って見捨てていいのか、というと全くそんなことはない。見捨てれば、二極化によって社会は荒れ、国家は衰退していく。

だから少なくとも公務員は、弱い立場の学生に目を向けるべきであり、上位層の鼻を折るなんてことは考える必要はない。そんなことしなくても、大学や社会に出てからいろいろな層の人と交流する中で、勝手に鼻を折られる機会を得る。

 

以上のことから、次のような高校教師ははっきり言ってアホです。

・定期試験で難問奇問を出して、学生の鼻を折ろうとする

・学生の多くが、時間が足りないと感じる定期試験を実施する

 

そもそも定期試験なんて100点がたくさんいてもよい。入試のように合格者を選ぶ必要はないのだから。学生のやる気を削がないためには、少なくとも基礎に絞り、ある程度時間に余裕を持たせ、実施すべきである。

 さらに言えば、そもそも定期試験をやる必要があるのか、ということまで検討してもいい。実際に定期試験廃止の動きは広がりつつあり、そのほうが学生のやる気が出た、学力が上がったということもある。

 ただし、もしも私が学生なら、自分の興味のある科目に関しては、定期試験を受けて実力を確認したいという思いはある。特に、数学や物理は本当に理解しているかどうかは問題を解けるまで分からないことが多く、レポートを提出すれば実力がつくという話ではないからだ。従って、個人的には定期試験を受けるかどうかは、個人が選択できるというのが良いだろうと思っている。

 

一方で模試のような実力テストは、ある程度時間を意識させたものであってもよい。実際に入学試験で競争しなければいけない現実があるわけだから。

 

それから文科省にも言っておきたい。共通テストの考え方。思考力や読解力を問うような思想に切り替えるのなら、何故試験時間を長く設定しないのか。上位層にとってはそれでもどうってことはないが、中間層から下位層は、前述の通り脳科学的な問題から試験時間を長く設定しないと、そもそも思考力を計ることができない。そんなことにも気づかないあなた方の思考力のなさ、まったく目に余ります。

 

2022年度の数学は、特に時間が足りないと嘆く声が多く、SNSでは、数学の試験終了後、泣いて出て行った女の子を見かけた、なんていう投稿があったほど。3年間頑張ってきたのに、実力が発揮できなかったことが想像され、本当に悔しい思いをしたことでしょう。もし私が下位層の学生なら、このような試験を受けたとき、社会から見捨てられている、という虚無感に陥ることでしょう。

 

学生がやる気をなくしたら国家は衰退します。あんな試験は努力したところで点数は伸びないし、そもそも時間がなくて解くことすらできない、なんてみんなが思い始めたら終わりです。

 

ちなみに学習塾で教育を施している私自身からすると、今回のような数学共通テストの対策をしようと考える場合、少なくとも下位層に関しては、基礎の基礎を完成させるだけで精いっぱいなため、対策を捨てるという選択をとることになります。

 

文科省の皆さん。学生に思考力、読解力を問うのなら、まずは自分自身が教育の現場に出向き、実際に教育を施す経験をして、自分自身の思考力を鍛えてからにしましょう。

 

導出物理まとめプリント販売開始

ついに導出物理のまとめプリントのダウンロード販売を開始!

ところで以下の質問にすぐに答えられますか?

 「物体系の運動量が保存される条件は?」

「保存力がする仕事は一般にどういう式で表される?」

「第1宇宙速度ってどうやって求める?」

「鉛直ばね振り子の保存則は簡単に書くとどう?」

「誘導電場ってどうやって表す?」

コンデンサーのインピーダンスは?」

「LC回路におけるエネルギー保存則ってどういう式?」

「単原子分子の気体のモル比熱は?」

「熱効率ってどういう式で表される?」

ニュートンリングの干渉条件は?」

「媒質中を進む光の波長は真空中の何倍?」

「凹面鏡はどのように光が進む?」

「β崩壊って質量数や陽子数はどう変化する?」

「光子の波長はプランク定数を使ってどう表される?」

 入試では考えている暇はありません。従ってこういう暗記していないとどうにもならない知識はすぐに説明できるよう準備しておく必要があります。そこで受験に必要な最低限の高校物理の知識を26ページに凝縮しました。繰り返し何度も見ることで入試対策が相当楽になるはずです。また、これを読んで理解できない部分を発見することで知識の抜けをチェックできます。是非お早めに活用下さい。

 【注】この内容は導出物理基礎演習編第3版に掲載する予定です。この教材の出版後にダウンロード販売を中止する可能性があります。

 

●販売価格:500円(予期なく変更する場合があります)

★できるだけカード決済をご利用下さい。決済後すぐにダウンロードが可能となります。ダウンロードリンクはメールにてお送りします。

 

●形式:PDF
●サイズ:B5
●合計ページ数:27p
1章:力学:6p

2章:電磁気:8p

3章:波動:6p

4章:熱:3p

5章:原子:4p

導出物理まとめプリントの購入はこちらから

 

↓サンプルはこちら↓

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導出物理まとめプリントの購入はこちらから

 

 

 

Wordで使える無料数式フォント集

Microsoft Word (MS Word/Office)で使える様々な数式フォント。デフォルトのCambria Mathを変えて使いたい方は参考になさってください。初めはLatin Modern Mathを使っていましたが、学術論文的な印象で学参には耐えられないレベルでしたので、オリジナルフォントを作成しました。導出物理で採用しているフォントで販売中。無料フォントと比較して是非ご検討下さい。

オリジナルフォント及びワードでの数式フォントの変更方法、一括置換方法などはこちらを参考にしてください。

 

■Cambria Math(デフォルト)

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微風出版オリジナル数式フォント

■SoyokazeMath(有料) 詳細はこちら

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■Latin Modern Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/lm-math/opentype

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■XITS Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/xits/

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■Asana Math

https://www.ctan.org/tex-archive/fonts/Asana-Math/

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TeX Gyre Schola Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/tex-gyre-math/opentype

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TeX Gyre Termes Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/tex-gyre-math/opentype

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 ■TeX Gyre Bonum Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/tex-gyre-math/opentype

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TeX Gyre Pagella Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/tex-gyre-math/opentype

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TeX Gyre DejaVu Math

https://ctan.org/tex-archive/fonts/tex-gyre-math/opentype

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オリジナルフォントの購入はこちらから

 

オリジナル数式フォントの詳細はこちら

 

 

 

 

財務省への粘着…未だ返信なし

 いくら国債を発行すれば信認が無くなるのか。国債を発行し続けると信認が得られなくなるとお考えのようですが、何故ですか?

財務省の回答

こちらのご質問についても一概にお答えすることは困難ですが、例えば、財政赤字の状態が続き、我が国財政の持続可能性に対する信用が失われると、国債金利が急激に上昇すること等が考えられます。そのような状況に陥ると、国債の利払い費の金額が増加し、皆様の生活に必要な公的サービスを十分に提供できなくなることや、金利が支払えなくなり債務不履行となる可能性も考えられます。このような事態を招かないためにも、経済再生と財政健全化を着実に進めることが重要です。

 

上記について再質問

(1)財政赤字とは外国との関係で赤字と言っていますか?それとも自国通貨建て(円)の赤字のことを言っておられますか?
(2)信用とは誰からの信用ということでしょうか?
(3)一概に言えないことに対して、何故信認が無くなるということを明言できるのですか?
(4)財政赤字が続くと何故国債金利が急激に上がるのですか?急激に上がるどころか下がる例もたくさんあるのに何故そのように明言できるのですか?
(5)日銀の買いオペができるのに何故国債の利払いができなくなるのですか?
(6)特例国債を発行できるのに、何故「皆様の生活に必要な公的サービスを十分に提供できなくなる」のですか?
(7)財務省が自身のホームページなどで「自国通貨建ての債務不履行はあり得ない」と明言されているにも関わらず、「金利が支払えなくなり債務不履行となる可能性も考えられます。」と明言されるのはどういうことですか?
(8)財政健全化とはプライマリーバランスの黒字化を意味していますか?だとするならこれは前にも述べたように、マネーストックで定義される通貨量を減少させることを意味し、経済再生どころか経済を衰退させることになります。言っていることがだいぶ矛盾しませんか?
(9)プライマリーバランス黒字化などというおかしな目標は日本くらいしかやっておりません。他国ではそんなことをしていないにも関わらず、経済成長をしている国はたくさんあります。何故日本だけそのようなおかしな目標を立てているのですか?


以上9点を個別にお答えいただけますでしょうか?

導出物理第4版→第5版差分情報

2020年10月15日発売  税込 各2640円

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導出物理上第5版

8章 物理で使う数学Ⅰ

内積外積の用途について注意事項を加筆

 10章 平面内の運動

★空気抵抗を受ける雨滴の速さ 導出過程を若干加筆(置換積分

 17章 波の伝わり方

●衝撃波 解説の追加

 

 導出物理下第5版

7章 コンデンサーⅡ

●電位と蓄えれれる電荷 解説+問題2問追加

 11章 交流回路Ⅱ

●章末問題を1問追加

●回路のインピーダンスから力率を求める方法→改訂

17章 原子Ⅱ

●対数の定義と性質(数学的準備) 解説+練習問題の追加

●例題4を追加 (核分裂に関する問題)

 例題4に対応する問題を追加,章末問題2問追加

イオン化エネルギーに関する記述の追加

 

導出物理詳細ページはこちら

 

通貨量論で各政党へプチ粘着

党の方針について質問させていただきます。選挙のために参考にしますので、必ず返信いただけますでしょうか?2週間以内に返信がない場合はこちらから電話で問い合わせます。

話を分かりやすくするため、単純な例を用いて説明しますが、これは単なる1例ではなく一般性がありますのでどうぞ勘違いなさらないでください。


ある6人の小国で、XさんはX銀行経営者、A、B、C、D、Eさんは個人とします。銀行Xの資本金は100万円で,A~Eさんは始めお金を全く持っていないとします。

A~EさんはX銀行からそれぞれ100万円を借りたとします。銀行は帳簿に負債500万円と書き、それぞれの通帳に100万円と書くだけなので、資本金100万円を減らすことなく融資できることはすでにご存じかと思います。(信用創造

銀行の負債:500万円
国民(A~E)の所持金:500万円

ここで、例えば国民がそれぞれ50万円を銀行に返済すると、次のようになります。

銀行の負債:250万円
国民(A~E)の所持金:250万円


ここからもわかる通り、銀行の負債額と国民の所持金は一致することが分かると思います。つまり、人々が借入を多くすればするほど通貨量は増し、逆に返済が多くなると通貨量が減ります。

そして1年後に国民が各110万円(10万円は金利)を完済しようとすると、返済合計は110×5=550万です。国民は合計で500万しか持っていないので、このままでは返済は不可能です。…①

ただしAさんがさらに100万円を追加で借り入れると、通貨量の合計は600万円となるので、550万円の完済は理論上可能。ところが、今度は返済額が金利込みで660万円(累計)となるので、やはりまた完済できなくなる時が来ます。そこでさらにBさんが追加で100万円を借りると、国民の所持金は700万円となるので、返済は理論上可能。ところが返済額は今度は770万円(累計)となるので何れ返済できなくなります。

高度経済成長期は特に人口増加で、このように借り入れ自体も増加したため、経済はうまくまわっていきました。ところが今は人口が減少する時代ですから、通貨量は大幅に減少し、消費減→給料減のデフレスパイラルに入っています。

ここで、①の状態を考えます。人口増加はなく、追加借り入れもしばらく起こらないとします。国民の返済すべき合計は550万円ですので、通貨量を維持するためには、政府が特例国債を発行(要するに通貨発行)して、徐々に550万円を国民に分配する意外方法はありません。

従って例えば政府の税収が年10万円とすると、年560万円を歳出する必要があります。つまり、プライマリバランスは550万円の赤字化しなければ元の通貨量を維持できません。


ここで質問です。

(1)どんな場合においてもプライマリーバランスは黒字化することは重要だとお考えでしょうか?

(2)通貨量を増やすと必ずインフレになるとお考えでしょうか?

(3)特例国債によって中央銀行が550万円を発行すると、政府は550万円の負債を計上します。(帳簿に負債550万円と記載) プライマリーバランスを赤字化してこの負債を減らそうとすると、国民の所持金はほぼゼロになりますが、政府の負債(要するに政府の借金と呼ばれているもの)は減らすべきだと考えていますでしょうか?

(4)金利がある以上、常に国民から銀行にお金が流れ続け、国民は借りたお金よりも多く返さなければいけないので、それを政府が通貨を発行して補うと、人口が増加しない状態では特に中央銀行の負債(政府の負債)は延々と増加し続けることになりますが、それは問題だと考えますでしょうか?問題だと考えるならその根拠を示してください。

 

補足:人口が増えない状態では国民が、【銀行から借り入れ】→【返済】を続けるだけで金利分だけどんどん通貨量が減少することが例からわかると思います。これにより通貨量が緩やかに増加して、緩やかにインフレになることになります。日本では50年前と比べれば物価はおよそ10倍になっています。通貨量増大によるインフレを悪とするなら、高度経済成長期から起こったインフレも悪ということになります。市中銀行が負債を膨らますことができなくなれば、中央銀行が負債を膨らませ続け、金利や配当によって起こる末端消費者の通貨量減少を補う以外方法がないかと思われますが、この点を踏まえて回答ください。


(5)Xが銀行ではなく投資家の場合も同様に配当金などがXに流れる続け、やがてX以外の末端消費者のお金はほぼ無くなります。(投資家と非投資家で格差拡大)Xが法人企業で、内部留保を増加させ続けると、やはりX以外の末端消費者のお金がなくなります。このことは理解していますでしょうか?

(6)現在の日本において消費税は貧困の負担が大きいのに必要であると考えるでしょうか?普通に考えるなら、プライマリーバランスを赤字にしなければいけないので、歳入が100万円、歳出を150万円のところを消費税をゼロにして、歳入が80万円、歳出を130万円としても、国民のお金は50万円増加させることができます。消費税は回収する国民の手間をかけるうえ、物価の強制引き上げで、消費行動を減衰させる効果があるため、これだけを考えても無意味だと思います。もちろん税の体質上格差の是正にもなりません。政府は通貨を発行できるのでそもそも安定財源など不要なわけですが、消費税に意味があるとお考えならその理由を教えていただけますでしょうか?

(7)①の状態において銀行からの追加借り入れがしばらく起こらない状態を考えます。A、B、C、D、Eがそれぞれ商売をして競争をしたとき、全員が80点~90点の努力をしたとしても必ず勝敗がつき、かつ銀行への返済で通貨量減少が起こりますので、必ず敗者が出てその敗者が最初に破産します。これは自己責任と考えますか?そうでないとするならどうすべきだと考えますか?

(8)金利や配当がある以上、通貨は消費者から銀行だけでなく投資家や内部留保を増加させる企業へと偏っていき、政府が何もしなければ末端消費者のお金は無くなります。日本ではここ20年で急激に通貨量が減少(正確には増加率の鈍化が継続)し、人口減少が激しくなっています。ついにコロナウィルスというという疫病が流行り、政府は給付金を配ってようやく直接的な通貨量調整に手を付けることになりました。しかし倒産や廃業が相次ぎ、GDPは類を見ないほどのとんでもない結果となりました。この結果を見て給付額は適切だと考えますか?そもそも国会を閉会している場合でしょうか?(個人的には政府は万死に値する罪を犯したと考えており、怒り狂っております)


以上8点を項目別にそれぞれ回答ください。個人的な意見ではなく必ず党の方針として回答ください。回答に時間がかかる場合はその旨を必ずお知らせください。

教科書の通貨量調整について財務省へ質問

文科省が認定する公民や政経の教科書の記載にある通貨量調整について、前回の質問で言及いただけなかったので、言及いただけますでしょうか?

プライマリーバランス黒字化目標を立てるということは、マネーストック(通貨量)の増減を調整しないことを目標とする、大変矛盾した目標になりますが、いったいどの時点で通貨量の調整をしているのでしょうか?


マネーストック=ほぼ市中銀行中央銀行の負債額の合計

※銀行を介さない貸し借りや投資についてはマネーストックには寄与しません。考えたらわかると思います。なお、このマネーストックは当然国内にある円のみならず、海外にある円も含みます。マネーストックは銀行以外にあるお金の量です。勘違いしないでください。


この両辺を時間微分すれば明らかですが、次の式が成り立ちます。

マネーストックの増加量=単位時間当たりの(銀行からの借入額)-(銀行への返済額)

当然この程度のことは大学などで勉強されましたよね?


貸借には金利が必ずかかりますので、一人が市中銀行から100万円を借りて、金利込みで110万円を返済するとマネーストックは減少します。よって、マネーストックを減少させないためには、上記の借入額を常に増加し続ける必要があります。人口が増加している場合は、上式中の借入額は増加できますが、日本ではとっくに人口増加は止まっています。このときは、政府が国債を発行+日銀が国債買入を行う以外、自国通貨の量(マネーストック)を増やす方法はないと思われますが、人口増加が止まって何十年たってもプライマリーバランス黒字化目標を立てているということは、他にマネーストックを増やす方法があると財務省では考えていると思いますので、その方法について教えていただけますでしょうか?

※何度も言いますが、5人の小国があり、初め国民の所持金はゼロで、5人が100万円を銀行から借り、それぞれが金利込みで110万円を返すことは不可能。マネーストックは500万円しかないからです。これを返済するためには、次々と誰かが銀行からお金を借り続け、かつ借りる量が増加し続けないといけません。

BPバランスについて財務省への再質問

↓前回いただいた回答
ご質問の趣旨はわかりかねますが、いわゆる、国債の発行により民間貯蓄が増加するといった趣旨であるとするならば、一国の経済の貯蓄投資バランスについては、「政府部門の収支+民間部門の収支+海外部門の収支=0」という恒等式で表されますので、最終的には国内民間の純貯蓄か海外の資金でファイナンスされることになります。この意味では、国債発行によるものもあるということになります。しかし、国債発行の増加に伴い、結果として国内民間部門の貯蓄が一定程度増加するとしても、民間の貯蓄が国債を引き受けるかどうか、すなわち、例えば金融機関が国債を購入するかどうかについては、財政に対する信認が維持されているかどうかにもよるものと考えております。

>収支の話などしていません。マネーストックの話をしています。マネタリーベースとマネーストックの違いは分かっていますか?経済活動はマネタリーベースではなくマネーストックが大きく影響します。(後に述べる5人の国家の話を考えれば明らか)

マネーストック(硬貨を除く)=ほぼ市中銀行中央銀行の負債(政府の負債)の合計

つまり個人、法人の所持する現金預貯金はすべて誰かの銀行からの借金と同額であるということ。言い換えれば、銀行の負債額が減ると、民間の現金預貯金は減り、その逆もまた真であるということ。
これは財務省として理解しているのか、していないのかを伺っています。
まず財務省としてどちらかなのかをお答えください。


また、財政に対する信認の定義を教えてください。いくら国債を発行すれば信認が無くなるのか。また、国債を発行し続けると信認が得られなくなる、あるいは債務対GDP比が大きくなると信認が得られなくなるとお考えのようですが、何故ですか?

何度も言いますが、例えば5人の国家があり、5人が銀行からそれぞれ100万円をかりて、金利をつけて1人110万円返済することはできません。マネーストックは500万しかないからです。したがって、政府は民間銀行から通貨を借りて、財政出動をしなければ通貨量減少で経済の破綻を回避できません。この経済が停滞した状態で、市中銀行は通貨の信認がないからと言って国債を買わないのでしょうか?(自国通貨建てのみの話をしています)民間銀行は貸出先がなくなったら潰れるしかないし、銀行は自己資金以上の貸し出しができる権利(通貨発行)が与えられた唯一の存在で、しかも最終的には日銀が通貨を発行して国債を買い取ることができるので、貸した金が返ってこないということはあり得ない。よって、通貨の信認は国債の発行残高とは無関係であることは明らかです。

※よく考えてください。国内の投資家が円の通貨の信認がないからと言って、外国に投資をすると、外貨は増えるかもしれませんが、内需拡大をするための大多数の日本人の円は増えません。説明が長くなるのでこの点は割愛。


 金利は銀行や国債を購入した投資家に流れ続けるため、民間企業が銀行から借り入れる→金利をつけて返済する、を繰り返すたびにマネーストックは減少(さらに格差が拡大)するので、政府は国債を発行し続ける→日銀が国債を買い続ける、を繰り返さなければマネーストックは減少し、経済が破綻します。つまり人口が一定あるいは減少傾向にある段階では、民間が市中銀行からの借り入れを増やすことはできないので、この段階になった時点で、地球が存続し続ける限り、国債発行残高は延々と増加しなければいけないことになります。つまり、自国通貨建ての国債発行残高対GDP比という指標は全く無意味であることになります。
 そうすると、緩やかにインフレが続き、かつサービスの供給能力が損なわれない状態が最もよい経済状態ということになります。緩やかなインフレによって、昔は「銭」という単位が不便となり、円に変わりましたが、困ることは通貨の単位くらいで、緩やかなインフレで困るという人はほぼいませんし、インフレとともに経済成長したことは紛れもない事実です。

何度も言いますが、地球は有限で、人口は延々と増え続けることは不可能なので、人口減少によって市中銀行からの借入が増えなくなった時点で、論理的には国債残高は延々と増加しなければいけないことになります。金利が銀行や投資家に次々に流れ続けるためです。違うとおっしゃるのならその根拠を述べてください。

 以上がプライマリーバランス黒字化目標が完全に誤っている理由です。この目標が間違っているとするなら速やかに取り下げていただき、間違っていないとするなら、当方の根拠のどこに誤りがあるのか指摘していただけますでしょうか?あなた方は我々の税金で食べているのですから、誠意が感じられるまで何度でも質問させていただきます。