高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

教科書の通貨量調整について財務省へ質問

文科省が認定する公民や政経の教科書の記載にある通貨量調整について、前回の質問で言及いただけなかったので、言及いただけますでしょうか?

プライマリーバランス黒字化目標を立てるということは、マネーストック(通貨量)の増減を調整しないことを目標とする、大変矛盾した目標になりますが、いったいどの時点で通貨量の調整をしているのでしょうか?


マネーストック=ほぼ市中銀行中央銀行の負債額の合計

※銀行を介さない貸し借りや投資についてはマネーストックには寄与しません。考えたらわかると思います。なお、このマネーストックは当然国内にある円のみならず、海外にある円も含みます。マネーストックは銀行以外にあるお金の量です。勘違いしないでください。


この両辺を時間微分すれば明らかですが、次の式が成り立ちます。

マネーストックの増加量=単位時間当たりの(銀行からの借入額)-(銀行への返済額)

当然この程度のことは大学などで勉強されましたよね?


貸借には金利が必ずかかりますので、一人が市中銀行から100万円を借りて、金利込みで110万円を返済するとマネーストックは減少します。よって、マネーストックを減少させないためには、上記の借入額を常に増加し続ける必要があります。人口が増加している場合は、上式中の借入額は増加できますが、日本ではとっくに人口増加は止まっています。このときは、政府が国債を発行+日銀が国債買入を行う以外、自国通貨の量(マネーストック)を増やす方法はないと思われますが、人口増加が止まって何十年たってもプライマリーバランス黒字化目標を立てているということは、他にマネーストックを増やす方法があると財務省では考えていると思いますので、その方法について教えていただけますでしょうか?

※何度も言いますが、5人の小国があり、初め国民の所持金はゼロで、5人が100万円を銀行から借り、それぞれが金利込みで110万円を返すことは不可能。マネーストックは500万円しかないからです。これを返済するためには、次々と誰かが銀行からお金を借り続け、かつ借りる量が増加し続けないといけません。