高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

BPバランスについて財務省への再質問

↓前回いただいた回答
ご質問の趣旨はわかりかねますが、いわゆる、国債の発行により民間貯蓄が増加するといった趣旨であるとするならば、一国の経済の貯蓄投資バランスについては、「政府部門の収支+民間部門の収支+海外部門の収支=0」という恒等式で表されますので、最終的には国内民間の純貯蓄か海外の資金でファイナンスされることになります。この意味では、国債発行によるものもあるということになります。しかし、国債発行の増加に伴い、結果として国内民間部門の貯蓄が一定程度増加するとしても、民間の貯蓄が国債を引き受けるかどうか、すなわち、例えば金融機関が国債を購入するかどうかについては、財政に対する信認が維持されているかどうかにもよるものと考えております。

>収支の話などしていません。マネーストックの話をしています。マネタリーベースとマネーストックの違いは分かっていますか?経済活動はマネタリーベースではなくマネーストックが大きく影響します。(後に述べる5人の国家の話を考えれば明らか)

マネーストック(硬貨を除く)=ほぼ市中銀行中央銀行の負債(政府の負債)の合計

つまり個人、法人の所持する現金預貯金はすべて誰かの銀行からの借金と同額であるということ。言い換えれば、銀行の負債額が減ると、民間の現金預貯金は減り、その逆もまた真であるということ。
これは財務省として理解しているのか、していないのかを伺っています。
まず財務省としてどちらかなのかをお答えください。


また、財政に対する信認の定義を教えてください。いくら国債を発行すれば信認が無くなるのか。また、国債を発行し続けると信認が得られなくなる、あるいは債務対GDP比が大きくなると信認が得られなくなるとお考えのようですが、何故ですか?

何度も言いますが、例えば5人の国家があり、5人が銀行からそれぞれ100万円をかりて、金利をつけて1人110万円返済することはできません。マネーストックは500万しかないからです。したがって、政府は民間銀行から通貨を借りて、財政出動をしなければ通貨量減少で経済の破綻を回避できません。この経済が停滞した状態で、市中銀行は通貨の信認がないからと言って国債を買わないのでしょうか?(自国通貨建てのみの話をしています)民間銀行は貸出先がなくなったら潰れるしかないし、銀行は自己資金以上の貸し出しができる権利(通貨発行)が与えられた唯一の存在で、しかも最終的には日銀が通貨を発行して国債を買い取ることができるので、貸した金が返ってこないということはあり得ない。よって、通貨の信認は国債の発行残高とは無関係であることは明らかです。

※よく考えてください。国内の投資家が円の通貨の信認がないからと言って、外国に投資をすると、外貨は増えるかもしれませんが、内需拡大をするための大多数の日本人の円は増えません。説明が長くなるのでこの点は割愛。


 金利は銀行や国債を購入した投資家に流れ続けるため、民間企業が銀行から借り入れる→金利をつけて返済する、を繰り返すたびにマネーストックは減少(さらに格差が拡大)するので、政府は国債を発行し続ける→日銀が国債を買い続ける、を繰り返さなければマネーストックは減少し、経済が破綻します。つまり人口が一定あるいは減少傾向にある段階では、民間が市中銀行からの借り入れを増やすことはできないので、この段階になった時点で、地球が存続し続ける限り、国債発行残高は延々と増加しなければいけないことになります。つまり、自国通貨建ての国債発行残高対GDP比という指標は全く無意味であることになります。
 そうすると、緩やかにインフレが続き、かつサービスの供給能力が損なわれない状態が最もよい経済状態ということになります。緩やかなインフレによって、昔は「銭」という単位が不便となり、円に変わりましたが、困ることは通貨の単位くらいで、緩やかなインフレで困るという人はほぼいませんし、インフレとともに経済成長したことは紛れもない事実です。

何度も言いますが、地球は有限で、人口は延々と増え続けることは不可能なので、人口減少によって市中銀行からの借入が増えなくなった時点で、論理的には国債残高は延々と増加しなければいけないことになります。金利が銀行や投資家に次々に流れ続けるためです。違うとおっしゃるのならその根拠を述べてください。

 以上がプライマリーバランス黒字化目標が完全に誤っている理由です。この目標が間違っているとするなら速やかに取り下げていただき、間違っていないとするなら、当方の根拠のどこに誤りがあるのか指摘していただけますでしょうか?あなた方は我々の税金で食べているのですから、誠意が感じられるまで何度でも質問させていただきます。