高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

物理数学

交流回路とオイラーの公式

導出物理では交流回路を複素数を用いて計算することを推奨しています。その方が覚える量が圧倒的に減ります。ただし、数学で複素数の性質をしっかりやってからでないと理解できません。でもご安心を。導出物理では最低限の複素数の解説と練習問題をつけてい…

位相が2分のπずれる…が覚えられない

オームの法則:V=IRは有名ですが、交流の世界でも同様にV=IZという式があります。 ただし電圧Vも電流IもインピーダンスZも複素数であることに注意しましょう。 ここで電流をI=I0(cosθ+jsinθ)とします。(電磁気学ではjを虚数単位とする) ところで電気抵抗、…

内積があれば外積もある

電磁気ではフレミングの法則なんていうのが出てきますが、私はこれが本当に苦手です。右手と左手の法則もあり、どの指が何を表すのかも覚えられないからです。(覚えてもすぐに忘れる) ですから導出物理ではフレミングの法則は使わず、右ネジの法則で統一し…

虚数を使う交流回路の計算が面白い

直流回路の抵抗はよくRを使いますが、これはレジスタンスのことです。一方、交流回路での目安となる抵抗がリアクタンスです。これは電源の周波数とコイルやコンデンサーがもつ固有値で決まります。(※どちらも単位はΩ) そしてインピーダンスは複素数を用い…

高校物理でも置換積分法を使う

導出物理では積の微分法や合成関数の微分法などを用いるので、できれば数学の方でも先に計算だけは練習してほしいです。数Ⅲの教科書と学校で買った薄い問題集を使えば誰でも独学できるはずです。 もう一つ重要な計算法が置換積分法です。これは合成関数の微…

高校数学で導出できない物理の公式(3)

万有引力や静電気力がはたらくベクトル場において、力学的エネルギー保存則を正確に導出することも不可能です。何故ならば、万有引力や静電気力が、「保存力」であるとことを明確に証明することができないからです。それには大学で習う数学の知識が必要です…

複素数(虚数)ってそもそも何の役に立つのか

高校数学においては、ある関数を別の関数で割ったときの剰余を解析するときに虚数が役に立つことが希にありますが、それ以外は思いつきません。大学で習う数学では微分方程式というものを解くための式の中に虚数が使われたり、原子のような小さいものを扱う…

運動エネルギーの導出はちょっと難しい

1次元の運動(直線運動)で等加速度運動ということに限定すると、運動エネルギーの導出はそれほど難しいものではありません。したがってそれについての導出は「導出物理基礎」で掲載しました。 しかし2次元や3次元の運動についても成り立つことを導出するに…

高校数学で導出できない物理の公式(2)

高校で習う電流が作る磁場の公式は主に次のようなものがあります。 ・直線電流の周りの磁場 ・薄いコイルの中心の磁場 ・ソレノイドの中心付近の磁場 ただ残念ながら高校の範囲では導出ができません。実はこれらの公式はもととなる公式があり、その公式を用…

高校数学で導出できない物理の公式(1)

あのニュートンが発見した万有引力の公式は、高校数学の範囲内ではその公式が正しいことを導出することはちょっと難しいです。ですので、高校物理の段階ではそのまま覚えるしかありません。 しかし、公式が正しいことはちゃんと導出することができるのです。…

微積物理という変な言葉

2chやアマゾンのレビューなどによく「微積物理」などというおかしな言葉が使われています。これは微積を使って解説する物理の参考書を指すようです。そういう意味では「導出物理」は「微積物理」なのでしょう。私自身は解説に微積を使っても使わなくても、理…

ベクトル量とスカラー量

今の高校物理ではベクトル量とスカラー量の違いをあいまいにしたまま運動や力学を習います。これはいまだに驚くことですが、生徒が学校で力学の初歩を習っているとき、学校の数学で「ベクトル」を全く習っていないのです。これは高校数学のカリキュラムの致…