虚数を使う交流回路の計算が面白い
直流回路の抵抗はよくRを使いますが、これはレジスタンスのことです。一方、交流回路での目安となる抵抗がリアクタンスです。これは電源の周波数とコイルやコンデンサーがもつ固有値で決まります。(※どちらも単位はΩ)
そしてインピーダンスは複素数を用いて次のように定義されます。
※jは虚数単位
よってインピーダンスの大きさは次のように計算されます。
インピーダンスの大きさ=√(レジスタンス)^2+(リアクタンス)^2…①
高校物理の場合は、この説明がないまま、インピーダンスの大きさの公式を覚えさせようとします。そうすると、コイル、コンデンサー、電気抵抗のつなぎ方(直列や並列)や、つなぐ数などによって覚える公式が増大します。まぁ私のような記憶力がほぼゼロのような人間にはやる気をなくす項目です。
ですから導出物理ではちょうど数Ⅲで複素数を詳しく学ぶので、複素数を用いた説明をすることにしたのです。次のインピーダンスを覚えることで、その公式を覚えることは不要になります。
電気抵抗=R+j0 コイル=0+jωL コンデンサ=0+1/jωC
0はもちろん考えなくてもいいので、実際は次のように覚えます。
電気抵抗=R コイル=jωL コンデンサ=1/jωC
これさえ覚えれば、合成インピーダンスは実に簡単に計算できます。
直列の場合:Z=Z1+Z2+Z3+…+Zn 並列の場合:1/Z=1/Z1+1/Z2+1/Z3+…+1/Zn
これって中学で習った合成抵抗の公式と同じじゃないか!と気づきますね。
あとは①の定義によって大きさを計算すれば合成インピーダンスの公式は個別に覚える必要がないとわかります。こんなに便利なのに高校の教科書では複素数での説明が一切書いていないのです。だから導出物理で説明したのです。これを読まないと本当に大損しますので、早く読んでほしいです。