高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

導出物理のレベル

 「導出物理」は完璧なものに近づける努力はしておりますが、万人にとっては完璧ではありません。「導出物理基礎」についてはどのようなレベルの高校生にも通用するようにできているとは思いますが、「導出物理 上巻/下巻」については偏差値55以上の高校に通う生徒でないと、独学は難しいでしょう。ただし学校の先生、塾の先生、家庭教師などの伴走者がいれば偏差値50くらいまでは対応できるかもしれません。

 導出物理は網羅性があるため、理解力が弱い(遅い)人ほど問題や学習内容を絞ってくれる人が必要になります。例えば私が偏差値45程度の高校に通う生徒に物理を教える場合は、導出物理(上・下)はあまり使用しません。自分で読解する能力はおおかたないですし、分量が多くてとても終わらないからです。一度に多くのことをやると混乱して知識が整理できないということもあります。それよりも学校で出されたプリントや学校の問題集を中心にやらせます。そして解説の時だけ導出物理をたまに使う程度です。これで定期テストでは80点以上を楽にとってきています。やはり能力が低い子ほど混乱しないように情報を絞るということが重要ですので、その点については注意が必要です。

 

追記:偏差値40台の人はどうすればいいのか加筆しました。是非お読みください。

 偏差値40台から理工系大学を目指す(1) - 高校物理・数学成績アップ術

偏差値40台から理工系大学を目指す(2) - 高校物理・数学成績アップ術

 

 

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予備校の講義で本当に物理の成績は上がるか?

 初歩の問題も自力で解けないのに、それを予備校に通って解決しようとするのははっきり言って不可能です。予備校の先生は問題を詳しく解説してくれるだけで、一人一人にどの問題をどこまで練習しなさい、というアドバイスはくれないし、問題でつまずいたときに、すぐにアドバイスはしてくれません。何度も言いますが、基本問題を反復練習すること以外で物理の初歩を身につけることは不可能です。

 ですから初歩の問題を解くレベルに達していないのなら、まず「導出物理」をやってください。導出物理はほとんど初歩的な問題しか掲載していません。掲載している問題が短時間で解けないのなら、予備校の先生の解説もピンときませんし、入試問題を解くレベルに達することは不可能です。

 逆に導出物理の問題をおおむね短時間で解けるようになれば、国立難関大学など一部を除けば、センターや赤本の練習ができるようになります。つまり予備校などに通わなくても自分で受験対策ができるようになるのです。(難関大学志望の場合は、導出物理を完成させた後、割と基本的な入試問題集をやってから赤本に着手したほうがいいでしょう)

 ただどうしても苦手な場合は、予備校ではなく個別指導塾に通い(もしくは家庭教師をつけて)演習中心の授業をしてもらうことをおすすめします。この方がはるかに効果があります。もちろん少人数制の予備校ならいいと思います。計算の仕方や解き方を個別に指導してくれる可能性があるからです。

 

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何故物理の成績が上がらなかったのか(3)

 次に教師の教え方の問題です。まず学校や予備校では解説に時間をとられ、演習をほとんどやってはくれません。これは非常に大きな問題です。前にも述べたように、物理は問題を解いて初めて理解できることがほとんどですので、演習が少ないとどうやっても理解が進まず、得点には結びつかないのです。ですから初歩の段階でつまづいている場合はいくら予備校や塾に通っても無駄なのです。

 何故解説に時間をとられるかといえば、やはり教科書や参考書に問題があります。多くの教師は一生懸命板書をして理解させようとしますが、私にとってそれはほぼ無意味です。私自身も自営の塾でそのようにしていたこともあったのですが、ちっとも結果は出なかったのです。

 そこで板書での解説はほとんどやめ、板書すべき内容とそれに対応した演習問題をテキストに配置し、授業の9割くらいを問題演習に費やしたところ、生徒たちは次々に結果を残していったのです。そしてそれによってほぼ確実に生徒の成績が上がることから、私にとってそれは成績を上げるためのゆるぎない法則になったのです。中学生の指導でそのことに気づき、物理でも同様のことがいえると考え、「導出物理」もそのように作成したのです。

 

 

 

何故物理の成績が上がらなかったのか(2)

 次に教科書の問題です。これは今でもひどい状況です。大人になってからはそれなりに理解力がついていますので教科書を読めば大体わかったのですが、それでも腑に落ちないことは多々ありました。電磁気学の定義については苦しみましたし、等速円運動の加速度の公式は非等速円運動でも同じ公式を適用するなど、どう考えてもおかしいと思うこともしばしばです。大人になった私でも納得できないことが多々あるのに、高校生の私が納得できないのは無理もないでしょう。これは文部科学省のカリキュラムも大いに問題です。残念ながら文系集団である文科省の役人にまともな教科書をつくらせることは無理なのでしょう。

 ですから「導出物理」の作成に当たっては私が思う教科書の疑問点を一つ一つ調べ、私自身が納得できるように教科書を書き直したのです。これは本当に面倒な作業でした。たぶん私のような時間がとれる自営業者でないと無理でしょう。教師や予備校講師は普段の仕事も忙しいのでここまで詳しく緻密に書くことは無理です。

 

何故物理の成績が上がらなかったのか(1)

数学の成績は希に校内で1位の成績をとるくらい上がったのに、物理はまるでだめでした。原因はいろいろあります。私自身の性格の問題、教師の教え方の問題、問題集や参考書の問題…などなど複合的に絡み合い、簡単にいうことはできません。

 最初に性格の問題について述べましょう。私の場合は「公式の導出」や「問題の解説の理解」を深めることで成績が上がると勘違いをしていたことです。当時は学校の教師や予備校講師にしつこく質問をしていました。それでなんとなくわかったような気になっていて、あまり問題を解きませんでした。(やっても解けなかったのですが)

 物理は基本的な問題を解いて初めて理解できることが多く、教師の講義を受けたり質問をしたりして理解できるということは少ないのです。ですからたとえ教科書や参考書の内容がよく理解できなくても、基本的な問題に絞って反復練習をすると成績は飛躍的に上がるのですが、当時は教科書や参考書、問題集の質が悪く、基本問題を解くというレベルに達することすら難しい状況があり、それは今現在でもあります。

 ですから「導出物理」では教科書の不備を補い、良質な基本問題を配置して、まず学校の定期テストで高得点を目指せるように設計したのです。学校のテストで高得点も取れないのに、受験問題が解けるようになるわけがありません。それにも関わらず定期テストで高得点をとるための教材は今現在でも皆無なのです。

 当時としては基本的なオリジナル問題を作って指導してくれるような塾に通わないととても物理習得は難しかったわけですが、千葉の田舎の私の育った地域には物理を教えてくれる塾はなく、どうしよもなかったのです。

 

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「導出物理」出版の動機

高校生の当時はアットホームな個人塾で数学と英語を習っていました。それで数学と英語の成績はそこそこ上がっていました。残念だったことはその塾は物理を教えてくれなかったことです。おかげで物理の成績はまるでだめでした。いろいろな参考書にも手を出しましたがピンと来るものは一つもなく、問題集をやってもすぐに挫折しました。

 浪人してからは大手予備校に通い、今では著書も多い〇本先生や〇原先生の授業を受けていましたがまるで成績は上がりませんでした。何故成績が上がらなかったのか、教える側になった今ならよくわかるのですが、当時は誰もそのことを教えてはもらえませんでした。その原因については、おいおい述べてはいきますが、物理の点数が全く取れず大学受験にことごとく失敗したため、物理の教育、教科書や参考書、問題集、そして教師や講師に対して激しい恨みが今でもあります。その恨みこそが「導出物理」を出版した動機です。

 物理が全く苦手な私が大人になって勉強しなおして執筆しましたので出来上がるまでに膨大な時間を費やしました。そして予備校に通わなくても独学で大学受験に対応できるものになりましたので、この教材に出会った方は本当に幸運です。私の失敗や理解できなかった苦しみ、解けなかった屈辱をほとんど回避できるわけですから。

 もう予備校で物理を習う必要はないと思います。予備校以上で習う情報はすでに載せていますので、予備校に通う時間とお金はもう必要ないのです。

 

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