高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

何故物理の成績が上がらなかったのか(3)

 次に教師の教え方の問題です。まず学校や予備校では解説に時間をとられ、演習をほとんどやってはくれません。これは非常に大きな問題です。前にも述べたように、物理は問題を解いて初めて理解できることがほとんどですので、演習が少ないとどうやっても理解が進まず、得点には結びつかないのです。ですから初歩の段階でつまづいている場合はいくら予備校や塾に通っても無駄なのです。

 何故解説に時間をとられるかといえば、やはり教科書や参考書に問題があります。多くの教師は一生懸命板書をして理解させようとしますが、私にとってそれはほぼ無意味です。私自身も自営の塾でそのようにしていたこともあったのですが、ちっとも結果は出なかったのです。

 そこで板書での解説はほとんどやめ、板書すべき内容とそれに対応した演習問題をテキストに配置し、授業の9割くらいを問題演習に費やしたところ、生徒たちは次々に結果を残していったのです。そしてそれによってほぼ確実に生徒の成績が上がることから、私にとってそれは成績を上げるためのゆるぎない法則になったのです。中学生の指導でそのことに気づき、物理でも同様のことがいえると考え、「導出物理」もそのように作成したのです。