高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

学生が貧困スパイラルに巻き込まれないためには(2)

 まずは若者が失敗する原理について知る必要があります。人間の進化の過程において、危険を冒さないような気質(遺伝子)を持つ民族は滅び、危険を冒す気質を持つ民族だけが生き残ったと言われています。その理由はなんとなくわかるのではないでしょうか。危険を冒さず原始的な生活で満足していては、社会とか文明とか文化の発展はないのは当然です。戦争や侵略をする無謀さもあったからこそ、その悲惨さを身をもって学ぶことができたのです。

 その危険を冒す気質が強く出る時期が10代~20代の若いころだそうです。自動車の保険料も年齢が上がるごとに安くなりますが、それは統計的に見ても若い人のほうが事故を起こすリスクが高いからです。私もそうでしたが、高校生の頃は頑張れば多少困難なことでもなんとかなると思っていました。そのおかげで数々の後悔をしてきましたが、学びや悟りも多く、満足できている部分があります。逆にリスクを冒さず安全な進路をとっていたとしたら、物質的には満足できても、学ぶことが少なく、不満感が残ったと思います。

 そうすると精神の満足をとるか、物質の満足をとるか、という話になります。私の経験で言えることは、どちらも大事であり、精神が主、物質が従となる偏りが少ないバランスが重要なのだろうと思います。これは大本教のかつての教祖である出口王仁三郎という人が残した「霊主体従」という考え方と同じです。この世の富とか名声はあの世にまで持っていけるものではありません。だったらそれほど裕福ではなくても、この世で悟り多い人生を送ったほうが、あの世に帰ってから勝ち組になる、ということです。

 ところが物質があまりにも満たされないと、苦しすぎて悟りどころではなくなります。つまり貧困が過であってもよくないのです。つまりそのバランスが重要であり、多少のリスクを冒し、多少の物質を犠牲にするという生き方が賢明なのだろうと思います。