高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

何故若い人はすぐに仕事をやめてしまうのか

 最近の若い人はちょっと叱られただけですぐにやめてしまうと、ぼやく人も多いことはご存知かと思います。それは何故なのかということをここでご説明しておきます。
 実は私もどちらかというとすぐに仕事をやめてきたタイプです。そして同様の人と話す中で共通点が見えてきたのは、幼少期のトラウマや複雑な家庭環境があるということです。イジメ、いやがらせ、リンチ、カツアゲ、裏切り、親や教師の豹変や理不尽な対応、上司のパワハラなど、私は一通り経験しましたが、同様の人も何らかの割ときついトラウマを持っていました。完全に自信を無くしてしまうような経験や、完全に人間不信に陥ってしまうような経験です。
 このような経験をすると、自己防衛反応が起こるのか、人の感情に対して異常に敏感になります。ほんのわずかな行動の違い、声のトーンの違いを敏感に感じ、そこに苛立ちや怒りの感情があると激しいストレスを感じます。

 社会がより複雑に変化し、育つ環境も複雑になると、いじめや目上の理不尽な対応がより陰湿になり、他人が想像もしないようなトラウマを抱えます。ですから上司が部下を指導するときも、教師が生徒を指導するときも、感情を乱すことなく常に冷静で、丁寧でなければいけません。

 上司や教師は部下や生徒に対し、キレそうになる時ほどユーモアで返すべきである、というのは私の持論ですが、例えばイエスキリストの説法は聞き手が笑い転げるようなことが多かったそうです。何故そうかといえば、ユーモアがなければ多くの人は聞く耳を持たないからです。このように器が大きい人ほど、ユーモアを交えて教えを説き、逆に器の小さい人ほど感情を乱し、細かいことをネチネチといびるものです。

 上司や教師の対応として最もまずいのが突然豹変することです。豹変する恐怖を常に抱くことで判断力が鈍り、それがミスにつながるという悪循環に陥るからです。ですから今では烈火のごとく叱るような指導はタブーとされ、まったく効果がないということが常識となりつつあります。人を教育するとは許し続けるということであり、どこまでも冷静に対応することがよしとされます。私も塾の指導ではそのようにしていますし、まったく叱ることなく、忍耐強く丁寧に接することで、ほとんどの子は成績を上げています。