高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

製本技術は時代に追いつかず…

 導出物理初版ではほぼ利益なしでしたので、改訂版では製本会社に見積もりを出しまくってできるだけコストを抑える努力をしました。(製本会社には相当嫌がられたと思います)そして以前の記事にも書きましたが、解答を別冊にすると原価がほぼ倍になり、やむなく断念しました。使いにくいと思いますが、B5→A5の変更もコストの問題でそうせざるを得ませんでした。

 最近は様々な工程を一括したインラインフィニッシュというタイプの製本機も出てきて、これで今回はだいぶコストを抑えられたのですが、別冊解答には対応しておらず、技術は時代に追いついていません。また、書店に流通させるにはスリップという売上カードを挿入しなければいけないのですが、この機械化にも対応しておらず、今回は手作業でお願いする結果となり、この点についても時代に追いついていません。

 有望だと思っていたPOD(プリントオンデマンド)というサービスもあったのですがこれもまだ駄目です。アマゾンや楽天などのネット販売において、注文を受けてから製本、発送をするというサービスですが、いろいろ調べると、原価が今回の改訂版よりも3~4倍に跳ね上がり、値上げをしないと仮定するとほぼ利益がないです。今のネット売上状況ではやる意味はありません。

 電子書籍も音楽ファイルと同様に割と簡単に不正コピー、配布ができ、法律の罰則も甘いので、まだやる意味はないのではと思っています。

 本を出版するにも本当に苦労がたえません。導出物理は現在でもレイアウト、誤植のチェック、練習問題の増強をしており、苦痛の極みです。順調に利益が出れば苦ではないですが、そんな苦労を知らない消費者は相変わらずネットで文句や悪口を書いてきますし、コストをかけて高校に案内を出しても9割くらいは無反応という状況ですから、今後どうなってしまうのか不安で仕方ありません。

 まぁ、金銭的にはカツカツですけど、これも修行だと思って、粛々と頑張っていきます…