高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

高校教師の指導力とは(2)

 次に2.計画力ですが、これは企画力といってもいいでしょう。どのように授業を進めていくか、どのタイミングで小テストをするか、どのような実験をするか、どのような教材を使うか…などということになります。

 これにはまず生徒たちのニーズや能力に敏感でなければいけません。進学校であれば受験対策を重視し、そうでなければ楽しさや面白さを重視し、興味を持たせるような工夫が必要です。そして生徒が授業についてこれないという状況になれば臨機応変に対応できなくてはいけません。

 自分が教わってきたやり方や自分の信念を押し通すことは感心しません。生徒たちは多様で時代も常に変化しています。そういうことに対応できないと、生徒に嫌われ、の学習意欲を削いでいきます。

 ところで生徒のテスト結果が悪かったり、学習意欲がないと強く感じたとき、まるまる1時間かけて説教することがあるかと思います。説教が悪いとは言いませんが、私に言わせればおおよそ無意味です。そんな時間を費やすのなら、少しでも演習を多くやればいいと思います。

 生徒は説教をしてやる気を出したり、学習意欲を増したりすることはほぼありません。学習意欲が増す原因はそんなことではなく、何か目標が見つかったり、成績が思うように上がったり、授業が面白いと感じたり、といったことです。叱られてやる気が増すということはありません。

 生徒の学習意欲がないことや基本が身についていないことに対して説教をするということは、教師本人の授業の計画力を棚に上げているということです。つまりその時点で教師失格です。基本が身についていないのだったら、小テストや演習を工夫するとか、小学や中学の内容までさかのぼって補習授業をするなどをすればいいのに、そのような努力もせず責任を生徒に押し付けわけですから、当然のことです。

 学習に関しては基本的に生徒を責めるということは不要で、教師はただただ、どうしたら生徒がやる気を出すか、どうしたら成績が上がるのか、ということだけを考えていればいいのです。