高校教師の指導力とは(1)
私の考える学習の指導力とは次の3要素です。
1.演技力 2.計画力 3.教材力
最も重要なのが1.演技力です。これは文系科目の教師ほど重要です。人気予備校講師はすべてこれが備わっています。みんなとにかく大げさでエネルギッシュです。落語や演劇の世界でも通用するほど表現力が豊かです。何故これが最も重要なのか。
あるテレビ番組で面白い実験をしていました。ある男性が大勢の人の前で自分の身の上話をします。あるグループに対しては、普通のしゃべり方で話し、別のグループに対しては完全なる「おねえ言葉」で話しました。(現役ニューハーフの指導あり)その後、話した内容をどれくらい覚えているか、聞き手にテストしたところ、おねえ言葉のほうが圧倒的に内容をよく記憶していたという結果になりました。
このように自分ではないものを演じて強烈な個性を出すことで、聞き手の記憶する情報量が変わってきます。もちろん、これはどんな教師にもまねはできません。しかし、響き渡るようなでかい声でテンポよく話すことくらいはできるはずです。
要は単調で眠くなるような話し方をする教師が最もダメな教師なのです。そうならないように一人ひとりの個性が生きるようなパフォーマンスをすればいいのです。そして重要なことは「ユーモア」です。これがないと生徒や部下はついてきません。指導を受ける側は笑う機会がないと、だんだん眠くなったり、場合によっては悲壮感を持ったりします。
私の場合は年甲斐もなく若者言葉を使い、生徒に突っ込みを入れたりしますし、生徒が変な英作をしたら、それを無理やり日本語に直して、滑稽な会話状況の例を挙げたりします。これだけでも生徒は笑ってリラックスができ、割と飽きずに取り組むようになります。(もちろん私はそんな話ばかりではなく、ためになるような話もたくさんしますけど)