ネット上で物理の参考書を紹介するようなサイトも見かけますが、相変わらず予備校の先生(または高校の先生)が書くような講義調の分かりやすいものを推しています。しかし、我々民間教育の現場で教えている立場からすると、残念ながらそれで物理の成績は上がりません。
もちろん悪いというわけではありませんが、そのような参考書の致命的なところは基本的な練習問題がほとんどないことです。したがって別の問題集で練習しなければいけないのですが、その問題集は参考書の傍用ではないので、どこを調べればいいかわからない、調べても載っていない、などの問題が起こったり、練習問題のレベルが自分に合っていないといったことが起こります。結局それはやる気をなくす原因となります。
多くの方は著作側も含めて「解説が分かりやすい」参考書がいい参考書だと勘違いしています。しかしわかりやすければ成績は上がるのでしょうか?そうではなく、成績が上がるかどうかは「問題をいかにたくさん解くか」で決まります。特に理系科目は頭で理解するのではなく体で覚えるという要素が強くなりますので、スポーツで言えばジョギングやウエイトトレーニングのような地味な反復練習が最も重要になります。ですからまずは「基本的な問題をすぐに解けるように配慮している参考書」がよい参考書になります。
しかし残念ながらそのような参考書はほぼ皆無でした。ですからよりその理想に近づけた「導出物理」を皆様にどうしても使っていただきたいのです。導出物理は厳選した基本問題しか掲載しておらず、順を追って解説を読み、問題を解いていけば自然と道理が理解できるように順序と分量を徹底的に配慮して構成しています。
解説が多少わからなくても無理やり問題練習に移ってみてください。解けなくても解説を見て理解できればいいですし、できなかった問題はできるまで何度も練習すればわからなかった解説が分かるようになったりします。このようなやり方で講義調の参考書と問題集を行き来するよりもはるかに時間が節約され、効果的に成績が上がります。