高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

デフレにおける人々の心理を考察する

デフレが何故悪と気づかないのか。

例えば売る商品の価格を初め10万円とする。しかし1週間しても売れないので9万円に、2週間たっても売れないので8万円に…これを繰り返し6万円でやっと売れたとする。すると入金までに時間がかかり、結果的に人々の給料が全体的に下落。結果みんな自信を無くしていく…

一方緩やかなインフレであればどうか。6万円の価格設定をしたら即完売。売り手は「何だ7万円にしておけばよかった」と思い、次は7万円に。それでも即完売。こうなるとデフレのときよりも入金スピードが断然速い。結果みんなが自信を持ち始め、経済活動が活発になっていく。

つまりまずここで言えることは現代の主流派経済学で、デフレを悪としない考えは完全に誤りと言える。マネーストックには伸縮性があることは他の記事でも説明した通りだが、企業の多くが借金を返済するとマネーストックは減少し、個人の資産は全体的に下がる。結果貧乏になったという心理が働き、消費が鈍る。これを回避するためには、常にマネーストックは緩やかに増加し、緩やかなインフレが起こっている必要がある。


さて、物質が満たされるとやがて人々のものへの執着が無くなる。すると次は精神を満たす欲求が沸く。今はその過渡期と言え、人々は物質ではなく時間を欲し始めている。趣味の時間、真理を探求する時間、芸術を極める時間、学問を学ぶ時間…つまり働く時間を極限まで短くし、自分の時間を増やしたいという欲求…
この人々の時間を奪うのもやはりデフレであると言える。物価が下がるほど安物があふれ、それらは当然寿命が短いので、それを補うため新たな安物を生産する。これにより人々の拘束時間が増す。

しかしインフレ傾向にある経済の場合はどうか。高くても売れる見込みがあるのなら、寿命が3倍のものを3倍の値段で売れる。すると寿命が延びた分、ものの生産量が減り、人々の拘束時間は激減する。このように考えると、デフレがいかに悪で、緩やかなインフレがいかに善であるかということが推測される。

つまり現代の主流派経済学は根本から間違っていることになる。