高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

気づいてしまった…人類のとんでもない勘違い②

気づいてしまった…人類のとんでもない勘違い①からの続き

(最初はこちらをお読みください)

http://soyokaze-biz.hatenablog.com/entry/2019/05/27/140427

 

さらに私なりに思考実験を行ってみた。(間違っていればご指摘ください)

やはり、国民が100人しかいない小国を考える。この小国に流通している全体の通貨量を100万円とし、今度は中央銀行と1つの民間銀行Aが存在する場合を考える。貿易収支は常にゼロで、外国との為替取引はないものとする。また、国外への国民の流出、国内への外国人の流入はないものとする。

 

銀行Aが持つ資金は中央銀行からの借り入れの90万円とし、中央銀行は通貨を発行してその90万円を銀行に貸し付けたとする。(銀行の自己資本比率・準備金など難しい話は抜きにする)

ある3人の国民がこの銀行Aからそれぞれ30万円の融資を申し込む。これにより銀行は合計で90万円(資金すべて)の融資を行う。この融資はそれぞれ借り入れした3人に硬貨や紙幣を渡すのではなく、パソコンで各通帳に30万円と記入する(これは今の現実と同じ)。これで国民が使えるお金の総額は100+90=190万円となる。

 このように政府が通貨を発行して国民に分配せずとも、誰かがお金を借りることで、国民の間に流通するお金の総額が増える。この総額が増えると、その後の国民の経済活動によって、お金が国民に分配され、国民の給料が増える。

 

日本の高度成長期は多くの人が銀行からお金を借りたため、流通通貨が全体で増加し、経済が活性したと言える。

 

さて、そのお金を借りた3人の借金がすべて返済されたときはどうなるか。3人の返済後、彼らが利益を出し続けて所得を増やしても、その所得は別の誰かからお金が移動しただけなので、結局国民全体が使えるお金の総量は190万ー返済金90万円=100万円に減ってしまう。要するに3人が借金を返済するたびに国民の使えるお金(190万円)は銀行に移動し、流通通貨の総量が減って、デフレが起こってしまう。(給料減→物価減→給料減→物価減)

 

 したがって、政府がやらなければいけないのは、190万円を国民が使えていた状態を維持することでしょう。190-100=90万円の通貨を無条件で発行し、銀行を介さずに財政出動(公共事業などに使う)することで、国民が使えるお金の量が維持される。

 

このようにデフレの時、政府は少なくなった流通通貨量を通貨発行によって増やす必要がある。そうすると政府が注視すべきは金利でしょう。金利が下がっていればお金を借りる人が減っていることになるので、多めに通貨を発行して流通させる必要がある。

※お金を貸す人が減れば銀行は金利(自分たちの利益)を下げて商売するしかない。つまり金利減は借り手減。

ただし政府が意図的に金利を下げる政策をすることもある。そこで銀行の貸付総額の推移を注視することも重要でしょう。

銀行の貸付総額が減っている→企業の返済が進んでいる→国民の使えるお金が減っている

が成り立つので、このとき政府は通貨を発行して銀行を介さず通貨を流通させればよい。逆に銀行の貸付総額が増えて、かつ過剰なインフレが起こっていれば、税金を通過消滅分に当てればよい。

 ※実際には貿易や、インバウンド、外国人労働者の家族への送金、為替取引による自国通貨の流出・流入があるので、その分の自国通貨の変動を考慮する必要もある。

 

そうすると、発行するお金の累積額は、中央銀行→民間銀行経由と直接経由(いわゆる公共事業などの財政出動)で分けて記録し、政府は民間銀行の貸付総額と直接経由での発行通貨累積額のバランスを考えて通貨の発行・消滅のかじ取りをすればよいことになる。

 

 

 この世は有限であるように経済成長も有限です。今の日本は経済成長がある程度落ち着き、企業の多くは銀行への返済が完了に近づいていると言えます。この返済ショックによって国民が使えるお金は大幅に減少し、デフレになっていると考えられます。したがって政府は通貨を無条件で発行して流通通貨量を増やさなければいけない。しかし、政府は増税、つまり流通通貨量を減らそうと、真逆なことをやろうとしている。おまけに財務省は何としても政府負債を減らしたいと考えており、それ自身は通貨の消滅であり、とんでもないことです。つまり経済成長を妨げる最凶の政策をやり続けています。

もうさすがにこのままでは日本は終わります。どうか政治家の皆さん、このことをよく理解してほしい…