どうも導出物理は難解である、高度な人向けという先入観を持っている人も少なくないようなので、ここではっきり述べておきたいと思います。
導出物理のコンセプトは次のようなものです。
教科書と問題集の不備を同時に補う
教科書はページ数に制限があるため、みんなが疑問に思うようなところを詳しく述べず、また練習問題の数も少な過ぎるという問題があります。一方問題集はまとめ事項はあっても、詳しい解説がないため、解けないときは教科書を参照せねばいけませんが、どの部分をどれだけ読めばいいのかという判断が難しいという問題があります。
ですから導出物理はまず教科書よりも2倍詳しく説明し、説明のすぐ後に基本的練習問題を設け、問題で躓いても直前の説明を読めばこなせるよう工夫しています。さらに基本問題を700題以上掲載し、1000本ノックを受けるように反復練習をしてゆるぎない基礎を身につけられるようにしています。
さて具体的なターゲット層とは次のような人です。
●なんとなくわかる、わかる気になるという曖昧な感覚が嫌で、明確に深く物理を理解したいという人。
●とにかく物理のゆるぎない基礎力を身につけたいという人。
●物理に対して苦手意識が強い、もしくは教科書や他の参考書を読んでも納得いかないという人。
●とりあえず学校の定期テストで高得点をとれるようにしたいという人。
逆にターゲットにならない人は以下です。
●すでに志望校の入試問題演習を行っており、解説を読めば理解できるレベルに達している人。
●入試問題の難問を解けるようにしたいという人。
●忍耐強く文章を読解することができない人、もしくは基本問題を繰り返し何度も練習する忍耐力がない人。
導出物理は、入試で戦う前の準備教材です。ですから国立理系向けとか上位私大向けというものではなく、みんなが通らなければいけない基本を身につける教材です。他の参考書よりも分厚いため、高度な内容という先入観を持ちがちですが、全くそうではありません。学校の定期テストで高得点を目指す教材と考えていただければわかりやすいと思います。
練習問題は9割が基本ですが、難問も練習しなければ意味がないのでは?と思う人もいるでしょう。しかしAさんにとっての難問とBさんにとっての難問は全く異なるものです。どのレベルを難問とするかは個人差が大きくあり、すべての人のレベルに合う教材など存在しません。ですからまずは誰もが通らなければいけない基礎だけに重きを置き、その後は本人の志望校に合わせて、それぞれに合った他の問題集や赤本などで練習してもらうという立場をとっています。それが教材としては最も合理的であると考えています。