高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

こんな勘違い教師もいた

 かつて私が高校生だったころ、こんな化学の教師がいました。実験とそのレポートを何度も課す教師でしたが、その実験というのは教科書とは関係のないものです。具体的なことは覚えていませんが、未知の物質について様々な実験をして、それを自分なりに考察させるというものです。その動機とは、大学ではそれが当たり前になるので、その準備が必要である、というものでした。当時はただただ苦痛でしたが、今では教師の方が勘違いしていると確信しています。

 そもそも化学を習ったばかりで、物質の種類もそれほど知らない、化学反応式もそれほど知らない、定期テストの平均点も30~40点というほど多くの生徒が苦しんでいる状況で、自分なりに考察してレポートなんてかけるわけがないのです。漢字やひらがながまともに書けないのに、読書感想文を書いてこいと言っているようなものです。

 そんなレポートをさせている暇があるなら、少しでも補習授業や小テスト、演習をやって、基本的な知識を身につけさせるべきです。その化学教師は自分が大学で習った教育が高校で教えるべきものなのだと勘違いしていたのでしょう。

 私の塾の中学生の生徒が通う学校にも、同様にレポートを課す教師がいたそうです。中学生ですから、考察してレポートを書くとなると、みんなパニックになるに決まっています。その教師は生徒から大変な批判を浴び、補助教員に降格したそうです。そして驚くべきことに、その教師は割と年配のベテラン教師だったということです。

 学校教員というのは本当に恐ろしいものです。頑張ろうがなかろうが、首になることはほとんどなく、十分すぎるほどの給料をもらえるので、創意工夫をしなくなり、常識にも疎くなりやすい。つまり、学校教員というのは頭がどんどん退化していく可能性を秘めている職業と言えます。

 自主的に創意工夫できない人、社会常識にも疎い人、安定だからという理由で学校教員になりたいと人は、是非とも学校教員にならないでいただきたい。社会にとっても害ですし、本人にとっても不幸だからです。