高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

教科書のインピーダンスの記述はほぼ誤り

 交流回路の抵抗に相当する物理量にインピーダンスがあります。これは実際はベクトル量であり、複素数で定義されているものですが、多くの教科書ではスカラー量として説明しています。ですので高校の教科書で出てくるインピーダンスの式は「インピーダンスの大きさ」と記述しなければ誤りです。

 そして「インピーダンスの大きさ」は覚えにくい公式があるのですが、大学に入ってからは定義のし直しが必要になり、覚えたものがほとんど役に立たなくなるという結果になります。「導出物理」の作成の立場からしても、これはちょっとまずいと思うようになりましたので、「改訂版」では数学で習う複素数の解説から行い、インピーダンスを正確に定義した解説を加えました。これは高校物理の教材としては日本初となります。

 といってもそんなに難しいものではありません。抵抗、コイル、コンデンサーのインピーダンス複素数で覚えることで、合成インピーダンスが簡単に計算できるようになるのです。これで長い公式は覚えなくて済みますし、高校数学では複素数を必ず習いますので、受験で役に立たないということもありません。「導出物理 改訂版」を是非ご期待ください。

 

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