あのニュートンが発見した万有引力の公式は、高校数学の範囲内ではその公式が正しいことを導出することはちょっと難しいです。ですので、高校物理の段階ではそのまま覚えるしかありません。
しかし、公式が正しいことはちゃんと導出することができるのです。その根拠はケプラーが星の観測によって発見した次の法則と整合性がとれるからです。
惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く。
惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定である。
惑星の公転周期 T の2乗は、楕円軌道の半長軸 a の3乗に比例する。
ニュートンが予想した公式をもとにして計算を進めていくと、ケプラーの法則に矛盾しないという結果になり、これによりニュートンが予想した公式は正しいという結論になります。この導出は10ページ以上かかる大変難解なものですので、さすがに高校生に理解させるのはやり過ぎです。理解できたとしても大学受験にはほとんど役に立ちません。よって「導出物理」でも掲載を見送っております。
くれぐれも深入りはしないようにしましょう。目下の目標は合格であって、難解な導出を正確に理解することではありません。