高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

力学

力のモーメントは外積で定義されている

力のモーメントの正確な定義は、空間ベクトルで表されるベクトル量です。しかし高校物理では非常にあいまいな教え方をします。ベクトル量ともスカラー量ともいわずになんとなく量を定義して問題を解くことになります。 教科書の記述も厳密ではないことも多い…

運動方程式は何故成り立つのか

少し定性的に考えてみましょう。ばねばかりにおもりをつるします。そのばねばかりを地上10mの位置と地上1mの位置で計ったとき、ばねばかりの値は変わるでしょうか?厳密にいえば変わりますけど、ほぼ変わらないと見なすことができますよね?つまり、おもりに…

高校数学で導出できない物理の公式(3)

万有引力や静電気力がはたらくベクトル場において、力学的エネルギー保存則を正確に導出することも不可能です。何故ならば、万有引力や静電気力が、「保存力」であるとことを明確に証明することができないからです。それには大学で習う数学の知識が必要です…

何故物体にはたらく力が見つけられないのか

「物体にはたらく力」という言葉の理解をしっかりしていない人がいます。これは物体が「外から受ける力」と同等だということを理解しましょう。 さて、物体にはたらく力が見つけられない原因は、多くの場合「接触力」と「非接触力」に分解して考えないからで…

運動方程式が何故みんな苦手なのか

教科書の多くは運動方程式は次のように書かれています。 ma=F これは非常にわかりにくいと思います。ですので「導出物理」では必ず次のように記述しています。 ma=F1+F2+F3+・・・Fn …① これは質量mの物体がF1~Fnの力を受けているとき、物体にaだけの加速度…

保存則はどこから来たの?

高校物理で習う保存則には力学的エネルギー保存則、運動量保存則がありますが、それらが何故便利かといえば、式に運動時間が含まれていないので、運動の前後の状態を把握するのが容易なのです。 しかしそもそもこれらはどうやって導かれたのでしょうか?実は…

運動エネルギーの導出はちょっと難しい

1次元の運動(直線運動)で等加速度運動ということに限定すると、運動エネルギーの導出はそれほど難しいものではありません。したがってそれについての導出は「導出物理基礎」で掲載しました。 しかし2次元や3次元の運動についても成り立つことを導出するに…

非等速円運動の加速度の大きさは?

高校物理の教科書を見て驚いたことは、「非等速円運動」の練習問題で、なんの説明もなく「等速円運動」の加速度の公式を用いていることでした。よく考えて問題に励んでいる人なら、「これはおかしい、何故だ?」と思うでしょう。 結論から言うと、非等速円運…

等速円運動の加速度の向きは何故中心向きか?

等速円運動の加速度の向きは円の中心向きになることが知られています。しかし何故そうなるのかを正確に説明している参考書はありませんでした。どの参考書もなんとなく煙に巻くように説明しています。これって読み手はバカにされた感覚にならないでしょうか…