高校物理・数学成績アップ術

微風出版「導出物理」の著者による物理・数学の学習戦略ブログ

学生が貧困スパイラルに巻き込まれないためには(3)

 さて現在の貧困状態にある人の姿を見てどう思うかです。好きな仕事だけを自由気ままにできれば、貧困であってもよいと思う人もいるでしょう。しかしそういう人は少数派と思われます。(YouTubeなどで検索すれば貧困に陥っている人がどういう生活をしているのかがよくわかります)

 一般に貧困に陥る人は中学、高校時代において、自分の将来、進路に関して無頓着、無計画だったと言えます。親の経済力がなくて専門学校にも通えなかったとしても、貧困に陥らずに済む方法は、実はいくらでもあるのですが、その怠りによって情報が不足し、貧困に陥るのです。

 例えば私が不思議に思うことは、中学生で、将来大学に行くつもりが全くないのに普通科の高校に進学することです。なぜ工業高校とか、農業高校とか、看護や調理が学べるような専門性のある高校に行かないのか。また、都会ばかりに目を向けている学生も不思議で仕方ありません。地方には問題となっている派遣会社は少なく、正社員になれる確率は高いのですが、何故かみんな都会に住みたがります。

 安定した収入もないのに、親元から遠く離れて都会に住み、早く子供を作って慌てふためいている無計画さも不思議です。収入が少なくても子供が欲しいと考えるなら、地元に就職して、親と協力して子育てをすべきかと思いますが、そういう知恵が回らないのでしょうか。

 このように貧困は国の社会制度に責任を擦り付けがちですが、実はその根本は本人の無計画さや親の躾や学校の教育に問題があると言えます。

 

 

学生が貧困スパイラルに巻き込まれないためには(2)

 まずは若者が失敗する原理について知る必要があります。人間の進化の過程において、危険を冒さないような気質(遺伝子)を持つ民族は滅び、危険を冒す気質を持つ民族だけが生き残ったと言われています。その理由はなんとなくわかるのではないでしょうか。危険を冒さず原始的な生活で満足していては、社会とか文明とか文化の発展はないのは当然です。戦争や侵略をする無謀さもあったからこそ、その悲惨さを身をもって学ぶことができたのです。

 その危険を冒す気質が強く出る時期が10代~20代の若いころだそうです。自動車の保険料も年齢が上がるごとに安くなりますが、それは統計的に見ても若い人のほうが事故を起こすリスクが高いからです。私もそうでしたが、高校生の頃は頑張れば多少困難なことでもなんとかなると思っていました。そのおかげで数々の後悔をしてきましたが、学びや悟りも多く、満足できている部分があります。逆にリスクを冒さず安全な進路をとっていたとしたら、物質的には満足できても、学ぶことが少なく、不満感が残ったと思います。

 そうすると精神の満足をとるか、物質の満足をとるか、という話になります。私の経験で言えることは、どちらも大事であり、精神が主、物質が従となる偏りが少ないバランスが重要なのだろうと思います。これは大本教のかつての教祖である出口王仁三郎という人が残した「霊主体従」という考え方と同じです。この世の富とか名声はあの世にまで持っていけるものではありません。だったらそれほど裕福ではなくても、この世で悟り多い人生を送ったほうが、あの世に帰ってから勝ち組になる、ということです。

 ところが物質があまりにも満たされないと、苦しすぎて悟りどころではなくなります。つまり貧困が過であってもよくないのです。つまりそのバランスが重要であり、多少のリスクを冒し、多少の物質を犠牲にするという生き方が賢明なのだろうと思います。

 

学生が貧困スパイラルに巻き込まれないためには(1)

日本の派遣会社の数は海外に比べてダントツに多いそうです。通訳やプログラマーなどの専門技術者を扱わないような派遣会社は、極端な話、奴隷をいいように使って儲けるような商売ですから、やっていることはヤクザとそんなに変わらないのじゃないかと思います。一方企業側が派遣社員を多く使う理由は、当たり前ですがそのほうが儲かるからです。忙しいときだけ雇え、忙しくないときは切り捨てることができるので、どう考えても正社員を多く雇うより儲かります。一方派遣社員として働く側のメリットとしては、手っ取り早く仕事にありつけることと、責任が重くなく気軽さがあることです。デメリットとしては、収入が不安定で社会保障面で不利であることが多いという点です。場合によっては今月1週間しか仕事がないと言われれば、1週間分の給料しか出ないという世界ですから、生活水準が上がる見込みは少ないと言えます。

 日本人は海外から見たらとにかく面倒くさがりだそうです。そしてまじめすぎる気質から、競争が激化し、薄利多売となります。そうするとますます利益が落ちるため、人件費を抑えようと、派遣社員やアルバイトを多く使うようになります。この負のスパイラルによって日本での貧困が加速しているのです。

 この部分が外国人にはわからない日本の大きな闇でしょう。派遣の気軽さをあえて選ぶ世捨て人のような人も多いですが、そんな社会に未来はあるのか本当に疑問です。これは政治も絡んでくる問題であり、簡単ではないですが、少なくとも学生の皆さんがこの負のスパイラルに巻き込まれないためにどうすればいいかを考えていきたいと思います。

 

反転授業には致命的な欠点がある

アメリカの高校で広がりつつある反転授業。これは自宅のネット環境で動画授業を受け、学校に行って自習や宿題をし、先生の個別指導を受けるというもの。この広がりは日本のように個別指導を受けることが結果に反映するということに気が付き始めた結果でしょう。しかし大きな欠点があります。それは、自宅では監視する人がいないので、やるかやらないかは生徒次第となってしまうことです。欧米では個性や個人的な価値観が重んじられ、留年については寛容であるため、問題はないのでしょうが、日本のような護送船団方式が染みついた文化ではおそらく合わないでしょう。私の塾の生徒にもネットの授業を紹介して勉強するようにいうこともあるのですが、下位60%くらいまずやりません。

 一方日本の場合は護送船団方式によって置いてきぼりをくらった生徒のために、個別指導塾と自習型塾が発展しました。自習型とは公文式のような塾を指します。高校生向けでは武田塾さんがこれにあたるでしょう。どちらも監視して勉強させたり、テストで常にチェックされるため、効果が出るのです。しかし欠点もあります。講義に多く時間が割けないという点です。そして、何より致命的なことは、親の経済力がなければそもそも塾に通えないという点です。

 この欠点を埋めるのが、学校教育のはずなのですが、特に公立の学校ではスタイル自体が昭和からほとんど変わっていません。裏を返せば文部科学省の上層部はほとんど●●ということです。国家公務員を目指す学生に文科省は人気がないと言いますが、おそらく人事の争いとか派閥みたいなものがあって、若い人が活躍できないからでしょう。

 昨今の報道を見てもそれは明らかでしょう。学校設立を認可するかどうかとか、政治家の口利きがあったかどうかとか、先進国で問題になることでしょうか。

 ある文科省OB?がこのような発言をしていました。

「いや今回の問題は内閣府の圧力が強くあったためであり、文科省が責められるのはちょっと納得できない」

 これは内閣府は人事権を持っているため、どの省庁も強く出られないということを暗示しているのでしょう。自分たちが調査をして、その結果が正しいと判断すれば、内閣府の意向など門前払いにすればいいだけの話です。出世競争に負けると天下り先に飛ばされるという慣例があるので、やりたい政策を主張することができない仕組みになっていることがよくわかります。

 日本の国家公務員とは、YESマンで、事なかれ主義で、和を乱さない、意見を強く主張しない、不祥事を上手く逃げ切れる人が出世します。これを解決するには、そういうことを解決する政治家を探して選ぶしかなさそうです。 

 

 

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書店各位 学参仕入れ担当者様へ

学参仕入れ担当者様へ


微風(そよかぜ)出版の児保(こやす)と申します。
至急当教材「導出物理シリーズ」を仕入れていただきたくご連絡しました。
夏休みの受験勉強に欠かせないものですので、必ず目をお通しください。

当シリーズは2017年4月に改訂版が発行されております。
ラインナップは以下からご確認ください。
http://www.soyo-kaze.biz/main.cgi?mode=m_kyouzai&sid=1


まずは導出物理がどれほどの威力があるのかをご理解ください。
次の受験ペディアでおすすめ教材に紹介されました。
http://jukenpedia.com/method/physics/


また、導出物理を使っていた受験生のブログも参照ください。
https://ameblo.jp/krounin1/entry-12260472328.html


これだけ受験に威力を発揮する教材にも関わらず、大変知名度が低いため
今年4月に委託販売した書店様からの返品も少なくなく、こちらとしても
死活問題となっています。


有名な受験掲示板サイトでは「なぜ導出物理が話題にならない?」という
書込みも見かけ、このことからも、書店にほとんど置かれていないため、
受験生の多くが「導出物理シリーズ」を知らないことがわかります。


ですから内容とその威力を理解いただいた上、POPなどによって目立つように
「導出物理シリーズ」を置いたいただきたいです。


特に「導出物理基礎」は偏差値40から難関高校の受験生まで対応できますので、
ほとんどの書店様に置いていただいて問題ないかと思います。
※導出物理(上下巻)は偏差値50以上の高校生に推奨しております。


導出物理基礎だけでも仕入れていただければ、この教材に上下巻の案内を
入れていいるので、その後上下巻の注文も入る可能性があります。よって棚に
余裕がなければ「導出物理基礎」だけでも仕入れていただきたいです。


「導出物理シリーズ」は他の競合教材と比べ、次の大きな特徴があります。

それは「高校数学の微分積分を用いて公式を導出している」という点です。
この特徴がある競合教材は2冊ほどありますが、いずれも理解するのが
難しく、多くの受験生には対応できていません。


物理を学習する多くの受験生は「この公式はどこから来たのか?」「なぜ
この公式が成り立つのか?」という疑問を持つのですが、それに正確にわかりやすく
答えている教材は「導出物理シリーズ」しかないと自負しております。

是非よろしくお願いいたします。


ご注文は日販やトーハンなどの取次業者か㈱星雲社までお願いいたします。
星雲社 TEL:03-3868-3275 FAX:03-3868-6588

また、返品実績のある書店様はその理由をお聞かせいただけませんでしょうか。
ご連絡は以下からお願いいたします。
http://www.soyo-kaze.biz/main.cgi?mode=m_inq&sid=1

こんな人は医者を目指すな

医者以外にも、歯科医、看護師、獣医師などの、医療関係を目指す人に申し上げます。以下の内容に当てはまるか考えてみてください。

 

1.生物、生命に神秘を感じない

2.ケアレスミスが多く集中力がない

3.徹夜するだけの体力がない

.記憶力が悪い、または、大量のことを記憶することが苦手

5.倫理観がない、または、道徳心に欠ける

 

1つでも当てはまるようでしたら、私は不適格と考えます。適性がない人が医者や歯医者になると社会にとって有害です。安定や地位を求めて医者を目指す人もいるでしょうが、本当によく考えていただきたいです。

 

まず、1ですが、生命に興味を持てない人が続けられるわけがありません。カエルの解剖程度で気持ち悪いとビビっている人はまず無理です。私の生徒で看護学部に行った女の子は、とにかく死体解剖が楽しみで仕方ないという子でした。このように生命に神秘を感じるような人でなければ、その後挫折することになるでしょう。とりあえず勉強ができるから、なんとなく医学部を目指している、なんていう人も本当に自分に適性があるのか、よく考えてほしいです。

 

次に2です。試験でケアレスミスが多く、それを直そうとすることが面倒であると思うような人は100%向いていません。とにかく確認することが面倒で、たぶん大丈夫だろうとすぐに自分を過信してしまうような人です。ある歯医者が、麻酔の濃度を間違えて注射したために、患者を死亡させたという事故がありましたが、これは「すみません」で済む話ではありません。

 ケアレスミスをするのは集中力がないことも原因です。集中力が最も必要となるのは外科手術ですが、これはちょっと間違えただけで人を死なせてしまうようなシビアな世界ですから、集中力がなく試験でケアレスミスを連発するような人は、まず外科医にはなれません。

 

次に3ですが、医者や看護師は夜勤が必ずあり、深夜に突然呼び出されることも多々あります。休みも不規則になります。ですから、それなりの体力と忍耐力がないとできません。医者は人を救うことに喜びを感じられるからこそ、自分の時間を犠牲にしてでも続けられるのです。ですから定期的に休みが欲しいとか、定期的に旅行をしたいとか言う生ぬるい人は、医者になった後、仕事の辛さで心を折られることになるでしょう。

 

次に4ですが、当たり前ですが、医学は覚えることが大量にあります。ですから高校の生物程度で、覚えることが多くて苦手だ、などと弱音を吐いているような人はまず向いていません。医学部では高校生物程度の分量なら半年でこなしていくようになるそうです。

 

次に5ですが、法令を遵守(じゅんしゅ)することができなかったり、生命の尊厳に対する普遍的な常識がない人は医者として不適格です。この前千葉大医学生数人がレイプ事件を起こして退学になりましたが、このように自制心も社会常識もないような人は論外であり、生命倫理について議論できないような人も、ルールを守れないような人も向いていません。 

 その医学生のように、勉強ができても精神年齢が低いのは、ある程度の理不尽、屈辱、挫折の経験が少ないからです。親の躾(しつけ)が生ぬるかったり、小学から高校まで私立で、平穏な生活が続くとこうなったりします。人から嫌な思いをさせられる経験があるからこそ、人の痛みが想像できるようになり、自制心が生まれます。ですから、裕福で快適な家庭環境で育った人ほど、医者としての適性があるかどうかを厳しく見極める必要があります。

 

  医者は患者と向き合うことから始まり、患者の意志をくみ取る能力が必要であり、学力とともに人間力が必要です。ですから人とのかかわりを避けてきたような人は向いていないですし、精神年齢が低く社会常識がない人もダメです。何より自己犠牲をいとわず、人を助けることに喜びを感じられ、どもまでも自分の判断に疑いを持てるような謙虚さがある人が、医者としての適性があります。

 

 私の地元のある病院で、大学病院から出向していた先生がいたのですが、その先生はとにかく評判が悪かったです。大学病院に勤めるくらいなので、優秀は優秀なのでしょうが、患者の話をあまり聴かず、自分の診断が絶対的に正しいと思い込んでいるような人だと聞きました。私の知り合いは、鼻の異常でその先生の診断を受け、原因は太りすぎだと言って、ろくに治療してくれなかったといいます。しかし別の小さな病院で診てもらうと、全く別の診断となり、しっかり治療もしてくれて、症状も改善したといいます。

 学力があっても人間力が欠けていると、いかに社会の害となるか、これからもよくわかると思います。

  

  

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プログラミング技術の必要性

 学校教育ではコンピュータープログラミングの授業が始まりつつありますが、これからはAI(人工知能)が欠かせない時代になってくるので当たり前だと思います。少子高齢化の中、少人数でたくさんの高齢者を支えるためには、徹底的な合理化をはかる必要があり、今騒がれている働き方改革以上にAIの存在が重要になってきます。

 例えばタクシーやバス、電車や定期船は人工知能が運転し始めるでしょう。政治家が行う法案の作成や予算配分も人工知能が行い始めています。巡回警備や荷物の運送も人工知能を搭載したロボットやドローンが活躍することでしょう。薬の開発や病気の発見も人工知能が行うようになるでしょう。従業員のアンケートを人工知能が分析して、不安を抱えて退職しそうな社員を発見することもできるといいます。株の売買も人工知能が行っていますし、マーケティングにおいても活躍しています。

 このようにプログラミング技術者はますます必要となります。農学や生物学の世界では関係ないと思いきや、遺伝子を解析するソフトウェアというものもあるそうで、プログラミング技術はあったほうが有利になります。そしてそれは理系に限ったことではありません。

 私は合同会社を設立していまして、個人事業とは異なり、会計処理が大変複雑になります。ですから普通は税理士と契約して税務署提出書類の作成などを依頼するのですが、私は税理士に頼んだことはありません。なぜなら、その書類作成までもやってくれるソフトを使っているからです。普通の会計ソフトは税務署提出書類の作成まではできないのですが、小規模企業に限って、それができてしまうソフトが存在します。税理士法人などから営業の電話がかかってくることもあるのですが、「うちは税理士を雇っていない」というと非常に驚かれます。

 このソフトの販売元のことはよくわかりませんが、どうも代表の方がプログラムを外注せずに作成しているようです。(価格が大変安いので外注しているとは考えにくい)つまり、税理士並みの知識がありながら、アプリケーションを作成する能力がある大変まれな才能を持った方なのでしょう。このように専門知識がありながらソフトウェア開発技術があると、企業できるほどになるのです。

 クリック証券という会社も社長自らが開発したネット売買ソフトによって、他社よりも安い売買手数料を実現し、一気に大手ネット証券会社に成長しました。これも、証券取引の専門知識とソフト開発技術で勝ち得た成功例と言えます。

 

 さて文系でも経済学部ではプログラミングを教えるところは多いようですが、もちろん理系ほど本格的にはやらないでしょうし、初歩的なことしか習わない場合もあるでしょう。どの程度教えるかは大学に問い合わせるしかありません。いずれにしても、経済学部に限らず、商学部経営学部にもプログラム教育は広がっていくのだろうと思います。

   

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偏差値40台から理工系大学を目指す(2)

 付属高校からスライドするのが一番簡単であることを言いましたが、一般受験する場合はなかなか大変です。まずは物理よりも数学が何とかなるかどうかです。数学がどうにもならなければ文系を考えたほうがいいです。ポイントは第1に計算力を死ぬほど鍛えることと、第2に学校で購入した問題集をしっかり練習することです。なぜ学校で購入した問題集かといえば、それが自分のレベルに最も合っているからです。学校側はもちろん生徒のレベルに合わせて問題集を選んでおり、易しいレベルの学校専用教材は難問を一切排除して基本に絞ってくれているので、最も効果的なのです。

 

 ところで、一般大学だけを考えるのではなく、短大や専門学校など広い視野で進路を考える必要があります。例えば私の地元千葉では厚生労働省所管の職業能力開発短大なんていうのもありまして、私の塾の生徒もここに行った子がいます。その子は高校では文系コースでしたが、建築をやりたいということで、この短大を目指すことになりました。確か当時は数学ⅠAⅡBまでの範囲だけを勉強して合格したと思います。短大でも2級建築士受験資格が得られますので、こういうところは結構穴場かと思います。また、私の知り合いでは専門学校を出てプログラマーシステムエンジニア)として活躍している人もいます。専門学校でもしっかり手に職がつきますので、敬遠しないほうがいいです。ただし、専門学校の場合はネットで評判などをよく調べる必要があるかと思います。

 さて、数学をまずやってみてそれだけでいっぱいいっぱいであった場合は、数学と英語だけで受けられるようなところを選んで受験するといいでしょう。特に情報学、システム工学、経営工学、理学部(応用数学科)のような学部は物理を使う要素が低い場合があるので、易しいところなら英数のみで受験できるところもあるでしょう。どれもコンピュータープログラミングが中心になってきます。

 プログラミングといっても色々あり、機械やロボットに移植していくプログラムやネットワーク、情報セキュリティ関係、データベース、統計関係、サーバーの構築、ソフトウェア(アプリ)関連、WEBプログラミング、ゲームプログラミングといろいろあり、これらの学部(学科)は、機械やロボットを扱わないようなプログラミングになってくるので、物理というよりも、もろに数学的な思考力が要求されます。私も独学でエクセルのマクロ機能を利用して成績管理ソフトを作りましたけど、高校で習った等差数列はもろに役に立っています。

 

 次に物理を勉強する余裕がある人ですが、建築、機械関係を目指す人は力学を集中的に、電気、電子、エレクトロニクス関係の目指す場合は電磁気を集中的に勉強するといいでしょう。物理の分野は主に力学・電磁気・波動・熱・原子と分かれ、出題率が最も高いのが力学と電磁気です。最も低いのが原子ですが、医療工学や理論物理学(主に理学部物理学科)を学ぶ場合は直接関係のある範囲です。

 したがって、力学と電磁気学に絞って学習し、波動や熱は公式に当てはめれば解けるような簡単な問題に絞って練習するといいでしょう。具体的には、まず「導出物理基礎」を完璧にすることです。易しい大学は物理基礎の内容が中心になりますので、この問題集に絞って練習してください。そして、過去問を見て、必要と思われる範囲を「導出物理」で見つけて、公式に当てはめれば解けるような簡単な問題のみを解いていくといいでしょう。

 

 ただし、それでも判断を間違える可能性もあるので、物理の先生や塾の先生に、過去問と問題集、参考書を持って行って、過去問の傾向からどの問題集のどこからどこまでやればいいのかを尋ねたほうがいいでしょう。もちろん過去問のレベルが自分に合っていないと言われれば、志望校を考え直すことも必要です。

 

 

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偏差値40台から理工系大学を目指す(1)

 私の生徒(A君)での成功例をお話しします。彼は私立の某マンモス大学の付属高校に入学し、週1回私の塾で数学と物理を習いに来ていました。高校の偏差値は40半ばで、出来のいい子とは言えませんでしたが、割と素直だったので助かりました。塾でやっていたことはほぼ学校の教科書、問題集、プリントです。私の講義は15%程度で、85%くらいは問題を解かせ、その都度わからないところを教えるというスタイル。「導出物理」は主に調べ用に使い、試験前に導出物理の知識問題、正誤問題を少しやる程度で、大半は学校のプリントをやっていたと思います。試験前は、学校のプリントの同じもの3枚くらいコピーして、家で繰り返し反復してもらいました。それで物理や数学の試験は大体80~90点台をとっていました。初めの学年順位は120番程度でしたが、最終的には30番台になりました。付属高校の場合、そのまま大学にスライドできるかどうかは学校の定期試験、実力テストで決まるので、無事希望していた機械関係の学部にスライドできました。(スライドなのでもちろん一般受験はしていません)

 偏差値45程度であれば、A君のように付属高校に入り、塾に通って試験で高得点を取って、そのままスライドするのが最も楽だと思います。部活(運動部)もやりながら希望の学部にスライドできたので学校生活も充実していたと思います。

 大学に入った後も少しA君から話を聞きましたが、大学の授業にはついていけているようです。まぁ塾で微積の計算などはさんざん練習したので大丈夫だろうと思います。彼は週1でも個別塾に来ていたことは大変大きかったと思います。もし私の塾に来ていなかったらまずこう簡単にはいかなかったと思います。中学で習うことの抜けていることも多かったですし、文章や人の話を理解する力が弱く、たびたび頓珍漢なことをやっていたり、何度同じことをやっても理解できないことも多かったですから。本当に私の塾に来ていないと思うとゾッとします。

 

  ところでこれはA君に聞いたことですが、彼の友達にすごく勉強熱心な子がいたそうで、毎朝学校に早く来て、教室で勉強していたそうですが、試験ではまるで点数が取れていなかったそうです。どうもノートにひたすら書き写して暗記していくような勉強をしていたようですが、偏差値40台の子が独学しようとすると、こういう結果になりがちです。つまり正しい勉強の仕方や情報の絞り方がほとんどの場合自分では判断できないのです。(文系科目に強い子で、数学の対策をする場合もその傾向が顕著)

 ですから個別塾や自習型の塾に通って定期試験対策をすることが重要になります。しかも理系の場合、高1からでないと全然間に合いません。私の経験では、高3になってから数学や物理を習いに来る子の70%くらいはどうにもなりませんでした。つまり手遅れということです。高1~2で習うことを復習しながら受験対策をするなど、どう考えても時間的に無理だからです。30%は何とかなりますが、そういう子は高1~2で習ったことの基礎は割とよくできています。

 

 実は高2の中頃から後半くらいになると、多くの子が理系は無理だと思い始めます。私から見て、理系に進んでもやっていけそうな子でも自信を無くすのです。その原因のほとんどは中学の数学と高1の数学でつまづいていることが挙げられます。

 一方偏差値40台のA君は高1~高3まで私の塾で勉強をしました。すると、計算などは塾に通っていない偏差値58程度の高校の子よりもできるようになったのです。ですから高1から対策を立てることがいかに重要かということがわかると思います。失敗する子の多くは高校受験を突破したことで安心してしまって、高1から何も対策を立てないのです。(難関私立高校の場合は塾や予備校のような指導をしてくれることが多いので、その辺はあまり考えなくてもいいのですが)

 

 さて、高1からは特につまづきやすい数学だけでも塾に通うべきだと思いますが、やはり注意が必要です。A君の友達で、塾に通っていても全く成績が上がらない子がいたそうですが、塾もしっかり選ばないといえません。得意科目などは集団塾やサテライト授業でもいいのですが、苦手科目は個別や自習型や少人数制でないとだめです。理由は苦手科目ほど本人のペースでできないとつまづくからです。ただし個別指導塾などでも駄目なことがあります。

 例えば素人の塾では、本人のレベルを考えることなく市販もしくは業者のテキストを使って、誰でも同じようなメニューを立ててしまいます。これでは成績はなかなか上がりません。また、成績を上げることについてあまり知識がない大学生に指導を丸投げしてしまっている場合もあります。指導する大学生が優秀でも、本人がやってきた勉強の仕方が万人に通用することはないので、当たり外れが出てきます。

 私の場合は本人のレベルに合わせて、臨機応変にメニューを決めます。A君の場合は学校のプリントや学校で買った問題集をやることが一番いいと思ったのでやりました。私はまったく優秀ではなく、予備校の先生のように難関大学の問題を解説する能力はほとんどないですが、成績を上げるための知識と経験があります。だから本人に合わせたメニューを考え、伴走するだけで成績が上がるのです。

 このように塾や予備校はどこでもいいというわけではありませんし、評判が良いところを選べばいいというわけでもありませんので注意が必要です。

続く 

 

●塾の選び方や高1からの計画に関する相談もやっています。詳しくはこちら

  

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導出物理は授業についていけない大学生にも最適

最近は少子化が進み、私たちの時代に比べればあまり勉強をしなくても大学に入れる時代になりました。そこで甘く考えて理系大学に進むと、授業についていけない、実験が何をやっているのかさえ理解できない…なんていう結果になります。そして試験勉強と実験レポートに日々追われ、精神的に追い込まれていきます。そのため推薦などで入った学生は大学を去っていくという話はよく聞くことです。

 大学に入ればわかりますが、高校で習う内容から一気にレベルが上がります。ですから、易しい私大の学生は、高校の参考書から勉強している人も多いです。そうならないためにも、もっと高校から本気になって勉強していただきたいと思います。ただ仮にそうなってしまったのなら「導出物理」を熟読し、練習問題もしっかり解いていくことを強くお勧めします。

 ところで「導出物理」は頭のいい人がやる教材、情報が多すぎて使いにくい、などと思っている人もいるようです。しかし、大学のレベルで考えれば「導出物理」程度の内容や高校で習う微積などは、小学校の掛け算九九みたいな内容です。しかも、「導出物理」は他の参考書と比べれば過保護の中の過保護と呼べるくらい丁寧に説明しています。それにもかかわらず、難しい、わからない、と弱音を吐いているなら、理系大学の進学はおやめいただいたほうがいいです。厳しいことを言いますが、そんな生ぬるい考えでは、大学には受かっても授業についていけません。

 ただしです。偏差値40台の高校から一般試験で理系大学を目指す場合はどうするかという問題があります。少子化が加速する中、このようなレベルの学生でも日本を支えていただくために、多くの人に技術者になっていただかなければいけません。このレベルの学生は、残念ながらほとんどの場合「導出物理」を全部終わらせるだけの読解力、理解するスピードはありません。ではどうするかということですが、これは非常に難しい問題ですので別の機会に記事にしたいと思います。

 

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